ノンアルコール飲料を“アルコール0.00%のお酒”と位置付けるサントリーは、新たなノンアル戦略として、清涼飲料などと割って飲む“ベースのノンアル”「ZEROPPA(ゼロッパ)」を開発。飲食店向けに発売すると発表した。
サントリーは7月8日、新商品「ZEROPPA」の説明会を東京都内で開催し、併せて「ゼロよいサワー」として体験できる店舗「ノンアルコンセプトショップ」を全国3カ所でオープンすることを明らかにした。
▽ノンアル併用者が半数
サントリーは2025年1月に「ノンアル部」を新設し、ノンアルコール事業の強化を打ち出しており、この日の説明会では福本匡志(ただし)ノンアル部長らが登壇し、開発の経緯などを説明した。同社が飲食店でどんなドリンクを飲むかを調べたところ「アルコールだけを飲む」(39.1%)より「アルコールだけでなく清涼飲料、ノンアルコール飲料も飲む」(48.5%)という人の方が多かったという。

福本氏は「家庭用にはレモンサワーテイスト、ハイボールテイスト、ワインテイストといった多彩な缶製品があるのに、飲食店ではノンアルコールビールしかメニューにない店が多い」と指摘。「ノンアルの選択肢を広げたい」として、新たなコンセプトの商品開発に乗り出したという。
開発に携わったスピリッツ・ワイン商品開発研究部の宮嶋麻由さんによると、厳選した香り高い焼酎とウイスキーから脱アルコールしたエキスを使用しているといい「お酒のような余韻や後味が特徴だ」と話した。

▽我慢からポジティブへ
「ZEROPPA」は業務用として500ミリリットル入りペットボトル(希望小売価格は税別400円)で9月16日から販売。福本氏は「さまざまな清涼飲料と割って、ノンアルを我慢の時に飲む消極的な選択肢ではなく、ポジティブに楽しめる飲料にしたい」と強調した。
サントリーは新たな飲食店の飲み方として、お酒とノンアルコールを交互に飲む「ゼブラ飲み」を提案。ノンアルを楽しむ機会を増やしたい考えだ。
「ZEROPPA」を体験できる常設のコンセプトショップは、東京都港区の東京タワー下に7月18日オープンするほか、「二子玉川ライズ」(東京都世田谷区)、名古屋市の「IGアリーナ(愛知県国際アリーナ)」でも展開する。
