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2024年度の鉄道係員に対する暴力件数は? 曜日別では金土日、時間帯別では深夜に多く発生

 

 最近、注目されているカスタマー・ハラスメント、いわゆるカスハラの被害に遭っていそうな代表的な業種といえば鉄道事業者だろう。日本民営鉄道協会(東京)などでは、2024年度(2024年4月~2025年3月)に発生した駅係員や乗務員等の鉄道係員に対する暴力行為件数の集計をこのほど行った。調査が行われたのは、JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、札幌市交通局、東京都交通局、横浜市交通局、名古屋市交通局、福岡市交通局、ニューシャトル、北総鉄道、東京モノレール、ゆりかもめ、多摩都市モノレール、東京臨海高速鉄道、横浜シーサイドライン、愛知環状鉄道、名古屋臨海高速鉄道、Osaka Metro 。それによると、暴力行為の発生件数は38社局で522件(前年度は37社局で517件)と前年比で微増となった。

 2020年度から2021年度にかけて、新型コロナウイルス感染症の流行もあって、暴力行為の発生件数は一時的に減少したものの、2022年度から大きく増加に転じ、2024年度においても同水準で推移した。

 今年度の特徴として、月別では11月~2月の期間において、いずれの月も昨年度を上回る発生件数になったという。曜日別では金土日に多く発生し、時間帯別では深夜の発生件数が多い。深夜の発生が示すように、暴力行為の加害者の50%(522件中261件)に飲酒が認められたが、飲酒を伴わない場合にも事例が確認され、飲酒の有無にかかわらず暴力行為は多数発生している。また、加害者の年齢には偏りがなく、幅広い層に分布していた。