ジェンダー

大切な人が未来を描き働ける場を 友松登喜子さん 旭化成ホームズ DE&I推進部長

――DE&I推進でこれからチャレンジしてみたいことは。

 どの事業本部からも女性支店長が生まれることですね。多様性はジェンダーだけではありませんが、女性支店長の誕生は、新しい希望やキャリアパスを描くことにつながり、人財にも定着してもらえるのではないか。対外的には、いろんな人が活躍できる会社なら仕事を任せたい、という取引先やお客様も出てくるのではと思います。女性が働き続け、管理職に就くことへの難しさはまだまだあると感じますが、それもいつしか、あっという間に解消していくのではないでしょうか。

女性が働き続け、管理職に就くことへの難しさはまだまだあると感じる。でも、それもいつしか、あっという間に解消していくのではないか

マイノリティーの王道を

 ――DE&I推進部長に就き、うれしかったことは。

  管理職になり悩んでいた時に、メンターの方に言われたアドバイスです。「自分で全部はできないから、強みはしっかり伸ばし、苦手な分野は強みを持つ人にしっかり頼って、謙虚に学びなさい」と。自分で全てやらないと、となっていた心を軽くしてもらいました。もうひとつは、部内のメンバーからの言葉。私自身がインポスター症候群的な状態になり「何もできていない」と自信を失った時、「マイノリティーの王道をやっているんです、自信を持ちましょう」と声をかけてもらい、自分を肯定することに背中を押してもらいました。すごく、ありがたい。やっぱりうちの会社は人でできている会社だ、と思うことがよくあります。

 ――仕事と家庭との両立は大変ではなかったでしょうか。

  夫と2人暮らしの共働きで子供がいないので、育児はなく、家庭と仕事の両立になりますが、やはり難しいこともありましたね。私の世代だと多いと思いますが、配偶者が箸も動かさないタイプだったので(笑)。家事は全て私でしたが、疑問を抱かなかった時代です。ただ、夫は一生懸命に働くことに関しては、応援してくれて、協力的です。管理職になってからは仕事を優先させてきましたが、時代の変化のせいもあってか、サポートが厚くなり、東京に単身赴任している今も、いろいろやってくれています。

――余暇はどう過ごしていますか。

 愛知県の自宅に帰る日以外は週末も東京にいますが、東京のあっちこっちを見たい!おのぼりさんです(笑)。あっという間にほぼ一年たちましたが、好きな場所を探すために、これからもおのぼりさんをやろうと思っています。

 それと、愛知にいたころに時々やっていたゴルフ。東京ではあまりできていませんが、朝起きて、よし、今日も行くぞ!と、部屋の中でシャドーの素振りをしています。

――会社の外を含め、どんなDE&I社会をつくっていきたいですか。

 まず、シスターフッド(女性同士の連帯)的に、後に続く人たちに少しでも背中を見せられたらという義務感と、大切にしたい人たちが将来を見て仕事ができる会社にしたいという気持ちがあります。一方で、時代は急速に変わり、例えば、同性パートナーの存在などを自然に受け止めて育つ世代が出てきた。外国の方の雇用も増えていくでしょう。多様性という言葉自体がそもそも必要なく、いろいろな方が普通に幸せに生きられる、「DE&I推進」という概念がない時代が来てほしいと思います。

※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」によると、旭化成ホームズは

労働者に占める女性労働者の割合:27.1%

係長級にある者に占める女性の割合:12.7%

管理職に占める女性の割合:2.8% (いずれも2025年5月時点)

友松登喜子(ともまつ・ときこ) 1968年生まれ、愛知県出身。南山大学で法学を専攻し、91年に旭化成ホームズ入社。住宅事業中部本部の総務部門に配属され、2021年に総務管理課長に就任。25年4月に本社のDE&I推進部長に抜擢され、東京で単身赴任生活を送る。