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アクセンチュア、博報堂テクノロジーズ、MIXI、金子恵美氏が登壇 最前線の企業に学ぶAI活用 忙しい私たちこそ、AIと仲良くなろう

 NewMeは国際女性デーに先がけ、「Inspire Women’s Choices ― キャリアとライフをもっと自由に考える1日 ~AI時代のワークイン・ライフ~」を2026年2月23日(月・祝)、WITH HARAJUKU HALLにて開催した。

 会場には約300人の働く女性が集まり、Session1「可能性は無限大!キャリアも人生も欲張っていくためのマインドセット」がスタート。“欲張る”という言葉の再定義からセッションは幕を開け、登壇者が語る仕事観・人生観にうなずきながらメモを取る参加者もみられた。

 Session2では、「最前線の企業に学ぶAI活用」をテーマに、「忙しい私たちこそ、AIと仲良くなろう」と題したパネルディスカッションを実施。株式会社MIXI 取締役上級執行役員の村瀬龍馬氏をモデレーターに、株式会社博報堂テクノロジーズ メディア事業推進センターの奥田瑛梨奈氏、元衆議院議員の金子恵美氏、アクセンチュア株式会社 執行役員 インクルージョン&ダイバーシティ日本統括の高橋美奈子氏が登壇した。AI時代のワークイン・ライフをテーマにしたイベントのなかでも、直接的にAIをテーマにしたSession2の内容を簡単にご紹介していく。

来場者のAI活用度は想像以上に高かった

 本セッションに先立ち、株式会社MIXIは当日来場者を対象にAI利用状況の簡易アンケートを実施。入場時にMIXIのブースにて用途別にシールを貼ってもらう形式で、リアルタイムにAI活用状況を可視化した。

※実際のリサーチボード 赤:活用中/緑:少し活用/青:未活用

 その結果、「壁打ち・ブレスト」「リサーチ」「ライティング」などの用途では既に多くの参加者が日常的にAIを活用していることが明らかになった。特にライティング領域では45人中44人が「活用中」と回答し、思考整理(36人中34人)、リサーチ(36人中30人)と続く結果となり、業務の中核部分にAIが組み込まれている実態がうかがえる。

 一方で、クリエイティブ領域では未活用層も一定数見られ、また「まだ模索中/見る専」と回答した参加者も存在するなど、活用度にはグラデーションがあることも浮き彫りとなった。

 単なるトレンドではなく、既に実務の現場に入り込んでいるAI。そのリアルな活用状況を共有するところから、本セッションはスタートした。

AIは効率化を超え、選択肢を広げる存在へ

 村瀬氏は、「今日は効率化の話だけではなく、AIがあったからこそ人生が少しコントローラブルになったという実感や、失敗談も含めたリアルを共有したい」と投げかけた。

 高橋氏は、ChatGPTが登場した当初に試した際の衝撃を振り返る。「短い指示でも“意思のある返答”が返ってきたことに驚いた」と語り、同時に「使わなければ仕事がなくなるかもしれない」という危機感もあったという。現在ではリサーチや提案書作成、コーディングなど、業務の多くの場面でAIを活用している。

 英語学習においてもAIは有効だ。24時間いつでも利用でき、冷静にフィードバックをくれる。難易度を指定でき、恥ずかしさもない。音声認識を活用し、自身の発話を改善する反復練習を続けているという。

株式会社MIXI 取締役上級執行役員 村瀬龍馬氏

キャリアの越境を支えるAI

 奥田氏は、元々は文系出身だが、そこからデータ領域に転身した自身の経験を語った。難解なコードをAIに読み解いてもらい、「初心者にも分かるように解説して」と依頼することで理解を深めてきたという。

 AIは、単に時間を短縮するツールではなく、専門領域への越境を後押しする存在にもなり得る。人に基礎を聞き続ける心理的負担を軽減し、挑戦のハードルを下げる役割を果たしている。

株式会社博報堂テクノロジーズ メディア事業推進センター 奥田瑛梨奈氏

“先生”ではなく“相談相手”として

 一方で、登壇者たちはAIへの向き合い方にも言及した。

 高橋氏は「AIの答えを見ただけで、できた気にならないことが重要」と語る。最終的な責任は常に自分にある。咀嚼(そしゃく)し、自分の言葉として語れるかが問われる。

 金子氏も「AIは絶対的な先生ではなく、相談相手」と表現する。自らの仮説を持たずに依存することの危うさを指摘した。

元衆議院議員 金子恵美氏

失敗もまた、学び

 ニュースレターの草案をAIと共に作成し、評価された表現がAI由来だったという高橋氏のエピソードや、曖昧な指示によって意図と異なるアウトプットが返ってきた奥田氏の体験談も共有された。

 AI以前に、問いの質が成果を左右する。技術は魔法ではなく、使い手の姿勢によって価値が決まるという現実が浮かび上がった。

アクセンチュア株式会社 執行役員 インクルージョン&ダイバーシティ日本統括 高橋美奈子氏

明日からの一歩

 セッション終盤では具体的なアクションも提示された。

 高橋氏は「AIに“私の強みは何か”と尋ねてみるのも一つ」と提案。第三者視点での言語化を、内省の材料として活用できるという。

 奥田氏は「AIを活用し、月に一つ新しいことを試す」ことを勧める。小さな越境の積み重ねが、将来の選択肢を広げる。

 金子氏は「時間の余裕を生み出すことで、これからさらにAIに近づいてみたい」と語った。

 最後に村瀬氏は、「AIは一対一の体験。深く使った人にしか分からない価値がある」とまとめた。押し付けるのではなく、共有し合いながら、自分なりの距離感を探ること。そしてAIだけでなく、人に頼ることも忘れないことが大切だと締めくくった。

 会場には真剣にメモを取る参加者の姿が多く見られ、AI時代のキャリア設計を前向きに捉える空気に包まれてSession2は終了した。

 イベント当日はこのあとにも、

・Session3「~あの人も実は、迷ってた~しなやかに生きる先輩たちの、知られざる悩みと乗り越え方」
・Session4「~データと共に紐解く、最前線の選択肢~自分に合うキャリア・ライフの決断タイミングをどう捉える?」

 といったセッションが行われ、AI時代におけるキャリアとライフの選択肢について多角的な議論が交わされた。