カルチャー

最後までヒールが似合う世代? 企業広告の中の“団塊”

main
「団塊は最後までヒールが似合う。」 コピーライター:小山佳奈(㈱上田家) アートディレクター:今井祐介(㈱電通)

 「団塊は、資源です。」というのが2006年の宝島社(東京)の企業広告だった。それから17年。同社の今年のコピーは再度同じ世代に焦点を当て、「団塊は最後までヒールが似合う。」だ。1月5日の読売新聞朝刊(全国版)、朝日新聞朝刊(全国版)、日本経済新聞朝刊(全国版)、日刊ゲンダイに掲載された。

 メッセージ文の中には「彼らは年を重ねてなお、他人におもねることはしない。いまだに野心でギラギラしながら、高齢化という時代の主役を張っている」とこの世代を表現している。広告の意図について同社は、「かつて世の中を賑わせた団塊世代のみなさんが、後期高齢者になります。そんな団塊世代の背中をもう一度押せたらと思いました。団塊世代が元気になれば、日本のシニア層の活力になります。ミドル世代にとっても、年を取ることに対する不安も減るのではないでしょうか」としている。

 同じ「団塊」世代が登場した2006年のメッセージの中には、「日本はこれからも年齢を重ねていく。しかし老いとはちがう何かが待っている気がする。かつてどの時代 どの国でも起こっていないことを 団塊がしでかしてくれる気がする」という文章があった。さて、老いとは違う何が待っていたのだろうか。どの時代、どの国でも起こっていないこととは何だっただろうか。