1952(昭和27)年に始まり、72年目を迎えた「熱海海上花火大会」(熱海市観光協会主催)。夏だけでなく年間を通して15回以上も開催されている熱海名物だ。このほど、7月28日(金)の追加開催が決定。約3000発の花火が熱海湾を覆い尽くす。打ち上げ時間は20時20分~20時45分。
熱海の花火の大きな特徴は2つ。一つはフィナーレ「大空中ナイアガラ」で、仕掛け花火ではなく会場全体から打ち上げるスターマイン。銀色の花火が夜空を埋め尽くし、真昼のように明るく輝く。もう一つは「打上げ会場」。三面を山に囲まれたすり鉢状の地形のため、大きなスタジアムのような音の反響がある。親水公園など海の近くで観覧すると、大きな単発花火や「大空中ナイアガラ」は、体にまで音が伝わってくる。
見るだけでなく体感する花火。大迫力の熱海海上花火大会を存分に楽しんでもらうために、網代温泉観光協会では、網代温泉の施設への宿泊者に特別観覧席を用意している。宿泊施設からの送迎付き。網代温泉観光協会への問い合わせは電話、0557-68-0136。
同花火大会の歴史は、過去に大きな災害に続けて見舞われた熱海の街の復興の歴史でもある。昭和24年8月末の「キティー台風」による高波で海岸地区の家屋140戸あまりが流失、翌昭和25年には「熱海駅前火災」、さらに10日後に中心街の979戸が焼失する大火に見舞われた熱海。その後の復興に向けた地元市民らの努力に報いるべく、昭和27年に花火を打ち上げたのが始まり。以来伝統が受け継がれ、今では年間を通じて開催している。