野生動物や山の人々の生業、移りゆく景色や植生、生命の輝きや自然の驚異を捉えた作品が一堂に会する。東京都美術館(東京都歴史文化財団・東京)の企画展、「大地に耳をすます 気配と手ざわり」が7月20日~10月9日まで開催される。榎本裕一氏、川村喜一氏、倉科光子氏、ふるさかはるか氏、ミロコマチコ氏の5人の作家が出品。自然の営みに目を凝らし、耳をすませて制作した作品は、つくり手のみずみずしい歓喜にあふれている。
美しさのみならず、ときに暴力的に牙をむき、したたかな生存戦略をめぐらせる自然の諸相を鮮烈に思い起こさせ、都市生活では希薄になりがちな、人の力の及ばない自然への畏怖と敬意を感じることができる。未開の大自然ではなく、自然と人の暮らしが重なる場から生まれた作品たちは、われわれの「生きる感覚」をも呼び覚まし、自然と人の関係性を問い直すきっかけを与えてくれる。観覧料は一般1100円、大学生・専門学校生700円、65歳以上800円、高校生以下無料。