障がいを持ちながらアートする人たちの美術展「第9回ハート♡アート展 in銀座」(主催・市川南ライオンズクラブ)が、東京・銀座の画廊ギャラリー杉野で6月8日まで開催されている。
初夏の恒例イベントであるこの絵画展は、今回で9回目。展示作品は耳が不自由な人、知的障がいがある人によって創作された作品で、千葉県市川市で開催された「第9回ハート♡アート展」で出展された200近い作品から、東京芸術大学の講師など専門家や田中甲市川市長、市内の福祉関係者などの人気投票で上位となった32作品が展示されている。
絵画展は新型コロナウイルスの影響で中止、オンライン開催となった年もあったが、一昨年はリアル開催が復活した。
障がい者の作品展は、最近でこそ有志団体による開催が増えてきたが、作品を展示する機会は多いとは言えず、せっかくの才能がありながら、埋もれてしまうケースがあると思われる。主催する市川南ライオンズクラブによると、作者にとって描き続けることの励みになり、出展の常連となる人も少なくないという。そして、一流画廊が集まる銀座で展示となれば、絵を描く人にとって名誉この上なく、それを目標に創作活動に励む人がたくさんいるそうだ。
千葉県市川市は、“裸の大将”の名で知られる山下清画伯を生んだ場所で、障がい者アートが盛んな土地柄。山下画伯は、貼り絵で知られているが、展覧会では画伯が学んだ八幡学園の後輩が描いた貼り絵も今回も銀座の画廊で展示された。
開催場所のギャラリー杉野は、画廊のメッカともいえる銀座で30年以上、絵画を見極めてきた。オーナーの杉野脩さんは「出展作品には心を打つものが多く、これまでに買い手がつく作品も何点かあった。プロとして通用する作者もいる」と話す。展示作品は非売品だが、作者との交渉によって買うことも可能だ。
「第9回ハート♥アート展 in銀座」は、6月8日まで並木通りにあるギャラリー杉野(東京都中央区銀座1-5-15、TEL:03-3561-1316)で開催。開催時間は11時~18時(最終日は15時に終了)。入場は無料。
