北海道・登別市の夏を彩る名物「地獄の谷の鬼花火」は、今年20周年を迎えた。6月からスタートし、9月は毎週木曜日に開催。いよいよ9月25日(木)がフィナーレだ。
登別温泉の守り神である「湯鬼神(ゆきじん)」が、手筒花火を掲げて打ち上げる高さ8メートルの火柱は、訪れる人々の厄を焼き払うとされ、2006年の誕生以来、夏の風物詩として親しまれてきた。打ち上げ花火ではなく、静岡発祥の手筒花火を採用したのは、地獄谷のすり鉢状の地形を最大限に生かすため。ただ、地獄谷は国立公園内にあり、火気の使用には高いハードルがあったという。安全面でも、筒を直接抱えるのではなくプラスチック製の取っ手を用いて適切な距離を保つ方式を採用、衣装には不燃素材を用い、鬼の面にはトランシーバーを内蔵しているという。
20時、太鼓の響きとともに闇の中から姿を現す湯鬼神たちは、赤い装束と鬼の面をまとい、剣と鈴の音を響かせながら、観客を静かにその世界へと引き込んでいく。やがて、8メートルもの火柱が夜空を勢いよく突き上げ、赤く照らされた地獄谷には大きな歓声がこだまする。酷暑の締めくくりにふさわしい夜を楽しもう。
今後の開催日は9月18日、25日(木曜日のみ)。場所は登別地獄谷展望台で、20時から20分程度。開場は19時。約1000人収容。料金は大人税込み500円、小学生以下は無料。入場券はWEB販売https://noboribetsu-spa.zaiko.io/e/onihanabi2025と登別国際観光コンベンション協会窓口販売(現金のみ)。