ごみ焼却施設とスキー場。その共通項は? と聞かれたら何と答える? なかなか思い付かない人がほとんどかもしれないが、その答えが分かる映画が上映されている。北欧デンマークを舞台にした『コペンハーゲンに山を』(ユナイテッドピープル・51分)だ。
デンマークの首都コペンハーゲンでは、老朽化したごみ処理施設の建て替えのため、新しい施設のアイデアを募るコンペティションが実施された。2011年、満場一致で選ばれたのは建築家ビャルケ・インゲルス(BJARKE・INGELS)の建築事務所の案。彼らのアイデアは、コペンハーゲンの新たなランドマークとして、巨大なごみ焼却発電所の屋根にスキー場を併設させるというものだった…。 完成に9年かかったその「コペンヒル」(COPENHILL)は、ごみで再生可能エネルギーを作り年間で3万世帯分の電力と7万2000世帯分の暖房用温水を供給しながら、マウンテンスポーツの施設としても多くの市民に愛されている。スキーにスノーボード。ハイキングやロッククライミング、そしてラぺリング(高い所からロープで降りるスポーツ)に至るまで。コペンヒルは、サステナブルな未来都市が実現可能であることを証明している。
東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか、順次全国で公開される。