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ポピュラー・ミュージックのルーツはどこにあるのか? ドキュメンタリー映画『アメリカン・エピック』が全国各地で上映へ

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 ポピュラー・ミュージックのルーツをひもといていくドキュメンタリー映画『アメリカン・エピック』(2017年/アメリカ/配給:マーメイド・フィルム、コビアボア・フィルム)は東京・恵比寿での上映が好評のうち終了したが、引き続き熊本、大阪、広島、京都など全国各地で上映されることになった。

 急成長する経済を背景に、社会、文化、芸術が大きく花開いた1920年代のアメリカ。大量生産が可能となり、録音技術の発達も相まって、それまではごく限られた富裕層の娯楽だったレコードが大衆化した。レコード会社はアメリカ各地にスカウトを派遣、新たな才能と音楽を探し求めるようになる。アパラチア山脈麓の寒村で、メンフィスの裏通りで、アトランタの教会で、次々と「発見」されていく音楽たち。

 このドキュメンタリーは、そんなポピュラー・ミュージックのルーツをひもときながら、やがてカントリー、フォーク、ブルース、R&B、ネイティブ・アメリカン、ハワイアン、ラテンといったジャンルへと発展していく大きなうねりを追った壮大な音楽の旅だ。

 エグゼクティブ・プロデューサーを務めるのは3人―ルーツ・ミュージックへの深い造詣をもとに多くのアーティストたちの名盤を手がけるプロデューサーのT・ボーン・バーネット、ホワイト・ストライプス時代からソロになった現在まで独自のスタイルを貫き、今やアメリカ最高峰のギタリストとして君臨するジャック・ホワイト、そして全編にわたってナレーターも務める名優ロバート・レッドフォード。
 監督はイギリス出身の新鋭バーナード・マクマホン。

 ブロードキャスターのピーター・バラカンさんのTwitterによると、12月17日(土)に新潟シネ・ウインド(新潟市中央区八千代2-1-1:025-243-5530)、12月23日(金)にDenkikan(熊本市中央区新市街8-2:096-352-2121)、12月25日(日)に映画館ストレンジャー(東京都墨田区3-7-1菊川会館ビル1F:080-5295-0597)、12月26日(月)にシネ・ヌーヴォ(大阪市西区九条1-20-24:06-6582-1416)、来年1月13日(金)に横川シネマ(広島市西区横川町3-1-12:082-231-1001)で上映される予定だ。

 また、アップリンク京都(京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2:075-600-7890)でも近日中に上映される見込みだ。

映画『アメリカン・エピック』エピソード4からエルトン・ジョン(左)とジャック・ホワイト。 ⓒ2017 Lo-Max Records Ltd.
映画『アメリカン・エピック』エピソード4からエルトン・ジョン(左)とジャック・ホワイト。 ⓒ2017 Lo-Max Records Ltd.

 この映画は4つのエピソードから成っている。

 〇エピソード1:「ザ・ビッグ・バン 元祖ルーツ・ミュージックの誕生」(57分)―1920年代、レコード会社は全米を回り、初めて労働者たちの音楽を録音する。その中からスターが生まれ、さまざまなジャンルの先駆者となる。黎明期のアーティストたちの映像が紹介され、彼らの子孫らが証言する。

 〇エピソード2:「『血と土』 過酷な労働から生まれたブラック・ミュージック」(60分)―教会、炭鉱、綿花畑で育まれた音楽は、辛い生活から人々を解放。多くのレコードが吹き込まれた。

 〇エピソード3(88分):「多民族音楽国家アメリカ」―先住民、ハワイアン、ケイジャン、ラテン、それぞれ独自のリズムやメロディーを持つ豊かな音楽。それはまさに多民族国家アメリカを象徴していた。

 〇エピソード4(116分):「セッションズ」―1920年代に開発された最初の電気式録音機。この残存する唯一の機械を修復し、当時の方法でレコーディングするために集まったジャック・ホワイト、エルトン・ジョン、タージ・マハール、ウィリー・ネルソン、ベックら、偉大な20アーティスト。夢の共演が実現する。