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坂口健太郎、不思議な力で傷ついた人を癒やす青年役 役柄との共通点を指摘され「ドキッとすることもあった」

 映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』完成報告イベントが27日、東京都内で行われ、出演者の坂口健太郎、齋藤飛鳥、市川実日子、伊藤ちひろ監督が登壇した。

 伊藤監督のオリジナル脚本で描く本作は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。不思議な力を持ち、傷ついた人を癒やす青年・未山を坂口、かつて起きたある事件がきっかけで、未山の前から姿を消していた元恋人・莉子を齋藤、未山と生活を共にしている現在の恋人・詩織を市川が演じた。

 坂口は「この作品は見終わった後に、『すごくスッキリ爽快で面白かったね』というジャンルの作品ではない。監督がすごく余白を大事にしていて、あえて説明を端折ったりしている部分もあるので、見たときにお客さんの中で、どんなものが生まれ、どんなものを持ち帰ってもらえるのか、僕も楽しみです」と笑顔で話した。

 伊藤監督は、映画『ナラタージュ』(17)で坂口と仕事をしたときから、「面白い役者さん。いつか坂口さんで映画を撮りたいなと思っていた」と告白。

 主人公の未山は坂口を想定して描いたそうで、「一見捉えどころがないところとか。割と目の前の全てを受け入れてしまったり、人に対して与え続けてしまうようなサービス精神もあって…」などと坂口と未山との共通点を挙げた。

 これには坂口も心当たりがあるようで、「僕イコール未山ではないけど、ちょっとドキッとすることがある。監督のおっしゃることで、確かに自分もときどき大変なこともあるし、楽ちんなこともある。ちょっとずつバレてるなという感じはありました」と照れ笑いを浮かべた。

 乃木坂46卒業後、初めての映画出演となった齋藤は、本作について「乃木坂の私とは全然違いますし、ファンの人がみんな喜ぶ作品じゃないとは思います」と紹介。

 役作りについては、「最初に監督と『莉子ちゃんはただ暗いだけの女の子じゃないよ』というお話はしました。一歩間違えると、ただの暗い人になっちゃいがちだけど、そこもどうやったらいいのか分からなくて。準備していくというよりは、とにかく監督の言うことをそしゃくして、どうにか形にするということをやっていました」と撮影を振り返った。

 映画は4月14日から公開。