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2024グリーンプリンティング環境大賞などの表彰式を開催 地球環境への負荷低減に積極的に取り組む印刷業界

 

2024GP環境大賞等表彰式のようす

 日本の印刷業界を取りまとめる一般社団法人 日本印刷産業連合会(東京)は、2006年に「グリーンプリンティング(GP)認定制度」を創設。積極的に地球環境への負荷低減に取り組んできた。この認定制度は、環境に配慮した自主基準に基づき、基準を達成した工場・事業所を認定するとともに、同基準に適合した印刷製品への「GPマーク」表示、並びに印刷工場が使用する資機材の認定などを行うもの。2024年8月現在、447工場がGP認定され、GPマーク表示製品は累計11億部を超えている。

 同連合会では毎年、このGP認定制度に対する深い理解と同制度の積極的な活用が認められる企業や団体に、「GP環境大賞」「GPマーク普及大賞」「GP資機材環境大賞」を授与しており、2024年度の表彰式が、10月30日に都内で行われた。

 表彰式の冒頭、同連合会の堆誠一郎(あくつ・せいいちろう)副会長が、「GP認定工場への印刷物発注は、サプライチェーン全体を通じたSDGsの目標達成に寄与すると確信している。こうした取り組みによって地球環境への負荷低減をさらに推進していく」とあいさつ。

 続いて行われた表彰式では、最初に「GP環境大賞ゴールドプライズ」を受賞した2団体(株式会社ジェイアール東日本企画、東武鉄道株式会社)が登壇。プレゼンターのグリーンプリンティングPR大使・小山薫堂氏から賞状が手渡された。同賞は、GP環境大賞を過去3回受賞したクライアントに対し、4回目の表彰時に贈られるもの。いわば、その活動に対する最大の賛辞と敬意を表するための賞だ。

GP環境大賞ゴールドプライズを受賞した株式会社ジェイアール東日本企画の代表者(左端から2人目・3人目)と東武鉄道株式会社の代表者(左端から4人目・5人目)。左端はGP大使の小山薫堂氏、右端が日本印刷産業連合会の堆誠一郎 副会長

 「GP環境大賞」は、グリーンプリンティング認定制度のGPマーク表示印刷製品を数多く発注したクライアントに対して贈られるもの。〈一般印刷の部〉では、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、日本航空株式会社の2社が、〈パッケージ印刷の部〉では株式会社あわしま堂が受賞した。さらに、GP環境大賞に準じる「GP環境準大賞」は7社に授与された。

GP環境大賞とGP環境準大賞を受賞した企業・団体の代表者のみなさん

 GP認定工場の中でGPマークの普及に貢献した会社を表彰する「GPマーク普及大賞」は、〈オフセット印刷部門〉で宝印刷株式会社、株式会社文伸、丸正印刷株式会社の3社が、〈グラビア・シール・スクリーン印刷部門〉で株式会社巧芸社が受賞。大賞に準じる「GPマーク普及準大賞」は7社に贈られた。また、「GPマーク普及大賞」を過去3回以上受賞した会社に贈られる「GPマーク普及大賞ゴールドプライズ」は、NTT印刷株式会社、株式会社北四国グラビア印刷、六三(むつみ)印刷株式会社に贈られた。

GPマーク普及大賞とGPマーク普及準大賞を受賞した企業・団体の代表者のみなさん

 さらに、GP資機材認定製品を登録しているメーカーのうち最も多くの認定製品を登録しているメーカーに、印刷工場の環境負荷低減に寄与しているとして贈られる「GP資機材環境大賞」は〈機材部門〉でキヤノン株式会社が受賞した。

GP資機材環境大賞を受賞したキヤノン株式会社の代表者

 各賞の賞状の授与と記念撮影が終わると、受賞者を代表してジェイアール東日本企画首都圏統括支社長の長谷川哲哉氏が登壇し、代表謝辞を述べた。表彰式の最後には、2016年からグリーンプリンティングPR大使を務める、放送作家・脚本家の小山薫堂氏が登壇し、次のように式を締めくくった。

 「昨今はペーパーレスが正義のように言われるが、果たしてそうなのか。例えば機内誌はあったほうが旅の気分が盛り上がる。メールよりも手紙の方が心にずしりと来るし幸せな気持ちになる。そんな幸せを守るための闘いの一つがグリーンプリンティング認定制度ではないか。さらに1社だけではなくクライアントもサプライヤーも同じ方向を見つめて頑張っていくその姿勢も素晴らしいなと思う。PR大使になって8年目だが、声がかかる限り頑張りますので一緒に盛り上げていきましょう」

 表彰式終了後は、小山薫堂氏がゲストと印刷にまつわる話を繰り広げる、「印刷と私」トークショーが行われた。今年のゲストは、 (株)コーセークリエイティブディレクターで元日本パッケージ協会理事の山崎茂氏と、元(株)コーセーアートディレクターでunderline graphic代表の石田清志氏。パッケージデザインの世界で長く幅広く活躍するお二人と小山氏は、さまざまな角度から思い思いにパッケージデザインについて語り合った後、話題は会場に展示されていた日本酒に。

「印刷と私」トークショーでは、パッケージデザインにまつわる歴史や体験談が話された。左から小山薫堂氏、山崎茂氏、石田清志氏

 これらは石川県内の蔵元たちが、能登半島地震で被災した地域の酒造を支援するために販売する、18の銘柄の復興応援酒「つなぐ石川の酒」。そのラベルデザインの相談を受けた小山氏が、旧知の2人に連絡し、2人が所属する「パッケージ幸福論」(企業内デザイナー有志によるプロジェクト)のデザイナーのうち14人がボランティアで30ほどのデザインを作成。その中から石川県の酒造組合が選んだデザインがラベルに使われているという。しかも採用されたデザインは、酒業界の競合であるサントリーのデザイナーの作品で、会社も快く了承したという裏話も披露された。

会場には能登の復興応援酒「つなぐ石川の酒」18銘柄が展示されていた

 小山氏は最後に、「間違いなく災害はまたどこかで起きる。グリーンプリンティングを推進している皆さんも、その時、何ができるのか準備をしておく、覚悟をしておくことが大切ではないか」とコメントし、トークショーは終了した。

■2024年受賞企業・団体一覧

【GP環境大賞】

GP環境大賞ゴールドプライズ

株式会社ジェイアール東日本企画、東武鉄道株式会社

2024GP環境大賞

<一般印刷の部>

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、日本航空株式会社

<パッケージ印刷の部>

株式会社あわしま堂

2024GP環境準大賞

<一般印刷の部>

社会福祉法人恩賜財団済生会、全国間税会総連合会、東急株式会社、株式会社ホンダモビリティ中部、株式会社ポスティングセンター沖縄

<パッケージ印刷の部>

国分グループ本社株式会社、竹下製菓株式会社

【GPマーク普及大賞】

2024GPマーク普及大賞ゴールドプライズ

NTT印刷株式会社、株式会社北四国グラビア印刷、六三印刷株式会社

2024GPマーク普及大賞  

<オフセット印刷部門>

宝印刷株式会社、株式会社文伸、丸正印刷株式会社

<グラビア・シール・スクリーン印刷部門>

株式会社巧芸社

2024GPマーク普及準大賞

<オフセット印刷部門>

伊藤印刷株式会社、株式会社笠間製本印刷、精英堂印刷株式会社、株式会社太陽堂印刷所、大日本印刷株式会社

<グラビア・シール・スクリーン印刷部門>

賀谷セロファン株式会社

<製本・表面加工部門>

TAD クロスメディア株式会社

【GP資機材環境大賞】

<資材部門>

※本年度は該当なし

2024GP資機材環境大賞

<機材部門>

キヤノン株式会社