社内で付いたあだ名は特攻隊長。選抜メンバーとして参画した楽天モバイルの立ち上げで立ちはだかった壁
――配属先は楽天市場に出店する店舗の営業だったのですね。
はい、食品ジャンルなどを担当しました。1年目は、とにかくわからないこと、疑問に感じたことは何でも先輩方に積極的に質問しました。アドバイスを頂いたら、すぐ行動に移すよう心がけていました。そのスピード感から新幹線みたいと言われていました。社内でのあだ名は、新幹線に始まり、ブルドーザー、特攻隊長と進化していったのもいい思い出です(笑)
私のビジネスマンとしての土台は、この時の先輩方からの教えによりできたものだと思っています。2年目からは社内最速で役職に就き、マネジメントとしてのキャリアをスタートし、3年目にはマネージャーとなり、その頃から個人の営業成績よりもチームで目標を達成することに、より喜びを感じるようになりました。
――そして、選抜メンバーとして楽天モバイルの立ち上げに参画されてからはいかがでしたか?
会社としても大きな投資を決めた事業だったので、失敗できないなという緊張感はありました。採用も進み、メンバーが増え、どんどんチームが拡大しても、突破口が見えない状態が続いた時期は苦しかったです。当時は悩みながら、とにかくよく働きました。そんな状況でしたが、なぜかすごく楽しかったのを覚えています。スピード感を意識して動いていましたし、何かを変えよう、エポックメイキングなことがしたいという気持ちからかどこかワクワクしていました。危機的状況をどうやって打破するのか、一人ではなく、チームみんなで考える日々の中、会社のトップも交えて、毎日ミーティングを重ね考え抜くと、徐々にその糸口が見えてきて、ようやくサービスを開始できた時は本当にうれしかったです。
――そこから転職を考えたきっかけは何だったのですか?
私自身、定年まで楽天で働こうと考えていました。しかし、いろんな価値観がある中で、一社で働き続けるのは視野を狭くしているのではないかと思い始めたのがきっかけです。楽天グループのトップが商談時に、どうしたらもっと日本に競争力を付けられるかという話をされているのを目の当たりにして、自分が見ていた範囲は会社という小さい単位だったなと気が付いたのです。尊敬する上司にキャリアについて相談したところ、「自分の市場価値をもっと広く見られるといいのではないか」という言葉を頂いたこともあり、必ずしもここにずっといることだけが正解ではないのかもしれないと悩みました。最終的には、繰り返しになりますが「苦しいと思う環境を選ぶ」という価値観で決めました。これまで築き上げてきた人脈や信頼関係だけで仕事が回せる環境に甘えないと決断した結果、株式会社メルカリだけに応募しました。
――なぜ数ある企業からメルカリだけを受けたのですか?
事業展開を広げていて成長期にある、もっと伸ばせる領域が沢山あるといった観点で面白そうと思い、さまざまな分野の社員の方にお話を聞きにいき、知れば知るほど興味が深まりました。この会社であれば、自分のキャリアの軸3つ(①事業の経営ができる、②大きいチームを作り、マネジメントができる、③事業のインパクトが大きい )を全て満たせる環境に出合えるかもしれないと思ったからです。