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交通空白解消に向けた実証実験スタート 長崎県新上五島町でデマンド交通システム

 

 高齢化が進み人口も減っている地域で、住人たちの移動手段の確保は大きな課題だ。店の数が減れば日常的に遠くに買いものに行かなければならず、教育や医療へのアクセスにも“足”は必須。各地でさまざまな試みが実施されている。長崎県新上五島町では、デマンド交通システム「トヨタ コニック ライド」(トヨタ・コニック・プロ、東京)を活用した実証実験がスタートした。

 新上五島町内では、トヨタ自動車のデマンド交通システム「SmartGOTO」で、町と外をつなぐ広域公共交通は整備されてきたが、町内の移動は、例えば病院から商業施設までの徒歩距離の移動が難しい住民も多い。現在はタクシーが町中の移動を支えているものの、第二種運転免許ドライバー不足により、町内の移動支援は現状維持で精いっぱいになっている。

 今回の実証実験では、「トヨタ コニック ライド」を活用。従来町内で移動を提供していたタクシーが町と外の移動に専念できるようになり、町内全体の交通空白解消が見込める。また、時速20km未満で公道を走ることができる電気自動車、グリーンスローモビリティを活用し、ゆっくりと町中を巡回する高齢者にも優しい移動手段を目指している。

 運行期間は11月29日(土)まで、月~土曜日(日曜日・祝日運休)の9時~16時。タブレット端末から車両を呼び出すか、ドライバーに直接声をかければ乗車できる。目的地は乗車時にドライバーに伝え、エリア内であれば、車両が通行可能な道路上で自由に乗り降りできる。実証運行期間中は無料。