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一度はあきらめた甲子園で試合ができる! 11月に準硬式野球の大学連盟東西対抗戦

試合当日のユニホームのデザイン画をはさみ、左から蛭田さん、保坂 内野手、藤中投手、近藤さん。
試合当日のユニホームのデザイン画をはさみ、左から蛭田さん、保坂 内野手、藤中投手、近藤さん。

 硬式と軟式の中間的な準硬式球を使用する大学準硬式野球の大会「全日本東西対抗日本一決定戦」が、11月13日(日)に兵庫県西宮市の甲子園球場で開かれる。主催は全日本大学準硬式野球連盟で、準備に奔走した大会関係者と出場選手がこのほど、東京都内で記者会見した。準硬式では初めての甲子園での大会に、選手は意欲満々で、はつらつとしたプレーを約束。関係者も「選手がもう一度、甲子園を目指せることで、わくわくどきどきする舞台ができた」(大会ディレクターの杉山智広・連盟理事)と自信をみせる。試合は正午開始で、入場は無料。

学業と両立が目標

 高校時代は甲子園を目指し硬式でプレーする球児が圧倒的だが、卒業後はプロや社会人野球を目指す硬式より、野球を楽しみたいと準硬式を選ぶ選手が多い。 連盟では「学業とスポーツの両立」を目標に掲げ、文系、理系、医歯系を問わず活動し、未経験者、女子選手も受け入れている。全国272大学、約1万人の選手が連盟に登録。

 競技のアピールも兼ねた今大会は、全国のチームから選抜して東西二つに分けて1試合を実施。出場選手は、ある一定の技術レベルを提示し、それをクリアした140人の選手が自薦で応募。そのうち50人が選ばれた。会見には、2020年夏の全国高校選手権が中止されたため、甲子園の土を踏めなかった徳島・鳴門高出の法大2年、藤中壮太投手、聖隷クリストファー高時代に静岡県の代替大会を制した亜大2年の保坂将輝内野手、それに長野県の佐久長聖高で代替大会に優勝したが、今回は審判で参加する東海大2年の蛭田魁人さんが出席。

一度はあきらめた舞台

 高校時代には142キロをマークしたこともある藤中は「僕たちの世代は新型コロナウイルス禍で(高校3年時に)甲子園大会が中止となり、もう甲子園でやることは野球人生でないと思っていた。素直にうれしい」と話した。保坂も「優勝したのに(甲子園に)出られなかった。今はうれしさしかない」とプレーを待ちわびた。審判で選出された蛭田さんは「はきはきとしたジャッジで臨みたい」と決意を表明。大会プロジェクトチームの学生委員を務めた近藤みのりさん(愛知大4年)は「高校時代は野球とは縁がなかったが、準備を進める中で、甲子園は選手の思いが強い場所だなと感じた」という。 2泊3日の集合期間中には、日本オリンピック委員会(JOC)講師による、五輪代表へと同じ内容の講演をしてもらうなど、各種プログラムも用意されている。今回は2023年の連盟創立75周年記念として開催するが、来年以降も定着すれば準硬式の人気も高まる。甲子園球場では、全国高校女子選手権決勝に舞台を提供するなど、開放は広がりつつある。連盟では、今後も甲子園球場を使用できるよう交渉をしていくという。11月13日の試合に多くの観客が詰めかけ、グラウンド上で熱戦が展開されれば、希望はかなうだろう。 連盟では、今後も甲子園球場を使用できるよう交渉をしていく。13日の試合に多くの観客が詰めかけ、グラウンド上で熱戦が展開されれば、希望は叶うかもしれない。