全国各地でシミュレーションゴルフで予選を行い、勝ち抜いた子どもたちとシード選手によるゴルフの全国大会が7月16日、栃木県の那須ハイランドゴルフクラブで行われた。コナミスポーツが主催し、今年が10回目の「コナミスポーツクラブ キッズゴルファーチャレンジカップ」。当日は快晴で気温30度を超える暑さだったが、標高800メートルの高原コースは時折さわやかな風も吹き抜け、70人のジュニア選手が真剣なプレーを展開した。
▽名匠設計のコースが舞台
会場は、世界的に有名なロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニアが設計したコースで、現在はコナミグループが運営している。小学校低学年の部(3,531ヤード、パー72)は、常住美結さん(シード選手、7歳)が71で優勝した。「パー5でパットが入り、バーディーを多く取れたのが勝因」と話してくれた。ゴルフを始めたのは5歳からで「スイングがきれいだとパパが褒めてくれるし、みんなナイスバーディーと言ってくれるのがうれしい」と、いかにも楽しそう。
小学校高学年(4,973ヤード、パー72)は、石塚全一郎さん(10歳)が76で勝った。パットはもう一つだったが「アプローチショットがよかった。今までの努力がここで生かされた」と胸をなで下ろした。3歳の時に姉をまねてゴルフを始めた。「一人一人がいいスコアを出して争い、結果的に誰が1位なるか分からないわくわく感が魅力」という。
中学生の部(6,239ヤード、パー72)は、作家叶真さん(14歳)が75で1位。グリーン周りの練習を多くやってきた成果が出たそうで「アプローチとパットに助けられた」と勝因を挙げた。小学校2年生くらいのころ、父親がプレーしている姿を見て、自分もやってみたいと思ったのがゴルフを始めたきっかけという。
▽子どもに大会参加の機会を
このユニークな方式の大会が始まったきっかけについて、コナミスポーツの日野雄大・施設事業本部副本部長が説明してくれた。同社では1997年からゴルフ事業を始め、2010年に「コナミスポーツクラブ ゴルフアカデミー」にリニューアル、現在全国46施設で展開しているという。アカデミー開校と同時に全国でシミュレーターを導入した。ゴルフはほかの競技に比べ大会に出場する機会が少ないこともあり、多くの子どもたちにリアルな大会に参加してもらうため、予選は自宅近くのコナミスポーツクラブで行い、決勝は実際にコースでという形式を採用したそうだ。
▽馬場咲希も出場
2011年に第1回大会を開催し、20年から22年まではコロナ禍で中止したが、前回の19年大会では、中学生の部で2022年に全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希が優勝している。ツアープロを教えることでも有名な内藤雄士プロコーチが同スポーツクラブのゴルフスクール・エグゼクティブコーチングディレクターを務めており、今回も会場で選手たちに熱心にアドバイスを送っていた。