グローバルで200組以上の動画投稿が
この動画を見ていると、どうして心がワクワクするのだろう。どうして胸が熱くなるのだろう——。ヤマハ株式会社(浜松市)が、「音楽でつながる」を目的にしたミュージックビデオ『Our Music』を2年ぶりに発表した。
ヤマハといえば何を思い浮かべるだろうか。楽器、音楽教室、スポーツ用品、オートバイ、オーディオ製品・・・。さまざまな製品やサービスでおなじみのヤマハブランドは、あまり知られていない意外な分野も含め、実に多岐にわたる事業をグローバルに展開している。
ヤマハ株式会社(浜松市)とヤマハ発動機(静岡県磐田市)では、“ふたつのヤマハ”で働くすべての人がヤマハブランドに思いを馳せる日として「Yamaha Day」を制定し、2018年からさまざまなインターナル(社内向け)イベントを実施してきた。今年も、ヤマハ株式会社の設立記念日である10月12日には「Yamaha Day 2023」 が開催され、ヤマハブランドに携わる、同社および海外を含むグループ会社(国内16社、海外47社)の従業員(連結従業員数・約2万人)がオンラインでつながり、ヤマハの“誕生日”を祝った。
冒頭で紹介した『Our Music』は、「Yamaha Day 2023」でお披露目されたミュージックビデオで、登場するのは国内および海外のヤマハグループの従業員や家族だ。同社では、楽曲「マイフレンドミュージック」(英名:Music,My Friend)の演奏・ダンス動画を従業員から募集したところ、グローバルで200組以上の投稿が集まった。寄せられた動画はイントラサイトに掲載してコミュニケーションのきっかけとする一方、個々の投稿動画を少しずつつなぎ合わせて編集し、1本のミュージックビデオが作られた。それが『Our Music』というわけだ。このような試みは2021年以来2度目。ちなみに「マイフレンドミュージック」は、世界中のヤマハ音楽教室に通う子どもたちや講師から20年にわたり愛されている曲である。
『Our Music』は、ピアノにサックスにギター、ドラムにリコーダーなど、さまざまな楽器で演奏され、演奏者はソロで、バンドで、家族あるいは職場のグループでと自由なスタイルで登場。楽器演奏のほかにも歌やダンスなど表現は思い思いだ。なかには民族衣装や野球のユニフォーム、アニメのアバターで踊る人もいて実に楽しい。なんとヤマハ(株)の中田卓也 代表執行役社長もエレキギターを弾いて参加している。
全世界のヤマハグループの拠点、全従業員に向けてライブで発信
「Yamaha Day 2023」では、『Our Music』のお披露目のほか、社長表彰「Yamaha Awards」の最終審査と授賞式、「Yamaha Day」実行委員会によるさまざまな企画も行われ、その模様は会場となったヤマハ本社のスタジオから、全世界のヤマハグループの拠点、全従業員に向けてライブで発信された。
「Yamaha Awards」は、ヤマハフィロソフィーを体現し全社の成長・発展に貢献した活動をたたえる社長表彰制度として2008年にスタート。今年は世界中のヤマハグループから100件もの応募があり、その中から選りすぐられた15組のファイナリストが会場に集結。その中には中国やブラジルから参加したチームもいる。プレゼンテーションと5人の審査員による最終審査を経て5つのアウォード(Product Award、Bolstering Business Award、Sales & Marketing Award、Invention Award、Process Innovation Award)が発表され、さらにその中から1組にグランプリが与えられた。受賞したチームはいずれも感無量といった面持ちで、受賞のあいさつ時に感極まって声を詰まらせるシーンやチームの仲間と受賞を称え合う姿も。そこからは、従業員が喜びと自信を持ちながら仕事をしていることや、海外のグループ会社にもヤマハフィロソフィーが浸透していることがうかがえ、多くの挑戦がヤマハブランドを支えていることを実感させた。
「Yamaha Day」実行委員会は、『Our Music』以外にも3つの企画を配信。つい誰かに話したくなる知られざるヤマハのトリビアを紹介する「Explore Yamaha Y’s Trivia」、従業員が自分とヤマハの製品・サービスをつなぐエピソードを投稿する「Explore Yamaha Ties with Y’s」、世界各地の拠点・部門から集まったパッションや絆の醸成につながる活動を紹介する「Activities at Each Site」の映像が流された。動画では、従業員が自分の仕事に誇りを持って取り組んでいることや、入社以前からヤマハ製品のファンだったことなどが紹介され、単に会社と従業員という以上の、ヤマハとの強いつながりを知ることができた。
今回のイベントが、グループの未来を担う中核人材20人による実行委員会形式で行われていることについて中田社長は、「社員の中から我こそはと言う人が手を上げてやってくれています。上からのお仕着せではなく自分たちで作り上げることで、より意識も高まるかなと思っています」とコメント。
実行委員長の岩田政典氏(ヤマハ株式会社電子デバイス事業部CX推進部戦略企画グループ)は、「今年は新しい挑戦ということで、全従業員にあてたスペシャルレターを送り、各拠点に働きかけて全社的にイベントをやってもらいました。『つながる 私たちとヤマハ』をコンセプトに、ヤマハとの新しいつながりに気づいてもらい、それによって全従業員がより一体となってヤマハブランドを輝かせていきたい、そういう気持ちに少しでもなってもらえたら」と思いを明かす。
最後に中田社長に「Yamaha Day」開催の意義を尋ねると、「136年前にヤマハが創業したということを従業員みんなが理解して、ヤマハブランドに思いを馳せてほしい。ヤマハブランドを意識することでブランドへの愛着を強めたり、ヤマハと自分との関係を見つめ直したりしてもらえれば。ヤマハというブランドを意識することで、誇りを持ってヤマハブランドを発信できると思いますし、ものづくりや販売の現場でもより向上するために自分たちは何をしたらいいか、お客様に喜んでもらうために何をしたらいいか、ということに発想が繋がっていくと期待しています 」と締めくくった。
熱い思いが込められたミュージックビデオ『Our Music』——ヤマハファンならずとも必見である。
