リトルピアニスト(茨城県龍ケ崎市)は、ピアニストのための室内練習用シューズ「ピアフィット」を2月17日に発売する。希望小売価格は2万1450円で、1センチ刻みで21~27センチの全7サイズ。
同社は、ピアノ演奏時にペダリングする際の足の負担軽減を目的に、演奏用シューズを開発し販売している。多くのピアニストから「練習時に使えるルームシューズがほしい」との声が寄せられたことから開発に着手。「演奏時の足の筋肉への負担軽減」と「ルームシューズとしての利便性」の両立を目指し、商品化に3年を費やした。
一般にピアニストは「ペダルを踏む部分にタコができる」「足がつる」「足の痛みで休憩を余儀なくされる」などで悩まされている。原因は、足の一部でペダルを踏み込む動作によるもので、5~7キロの力が右足だけにかかっているという。これを解決するため「ピアフィット」は、足の裏の面積全体をペダルに作用させ、少ないエネルギーでペダリングできるようにした。特に、成長過程にある若いピアニストにとっては、不均衡で無理なペダリング操作から解放され、健全な足の発育にも貢献する、としている。
昨年9月、筑波大学とプロのピアニストの協力で、「ピアフィット」の効果を実証するため、「ピアフィット」とそれ以外のさまざまなスリッパやシューズを履いて足の負担を測定した。その結果、ピアフィット装着時には、主に筋肉負担や足の左右のぐらつきが減少していることが証明されたという。
実証実験に参加したピアニストの一人、米川幸余さんは「ピアフィットを履いて演奏すると、体の中の軸がしっかりする感じがする。普通のスリッパだと重心がふわふわ浮いてしまうので、その不安定さが音色にも影響する。履き心地がよくて包まれる感じがするし、シューズと一体となってペダルを踏めるのでぜひ使いたい」と感想を述べた。
実験を行った足立准教授は「ペダリング動作が楽に、思い通りになるのは、支点が足関節の真下近くに来るため。その結果、足への負担や意識が軽くなり、脳の働きを指の動きに集中させることができる」と分析している。