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「役立たずでいいじゃない」 虫を相手にすると見えてくる人生の最終結論

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 いろいろ真面目に考えて一生懸命取り組む。でもあまり真剣になり過ぎるとストレスになることも多い。そんな時、「役立たずでいいじゃない」と言ってもらえるとすごく気が楽になる。しかも言ってくれるのが養老孟司先生ならなおさら心強い。『養老先生と虫』(養老孟司著、山と溪谷社)が刊行された。

 「動物も昆虫も植物も、みんな行きがかりだ。樹木は生えてしまったから仕方なくそこにいる。我々は生きているから死ぬまで生きるほかないのである」(本文より)。役立たずでいいじゃない。虫を相手にすると、問題の解答がひとりでに見えてくるのだそうだ。長年虫と自然に教わってきた世界の見方を、明解に楽しく語る養老孟司流の生きるヒント満載だ。税込み990円。