ありがたいことに弘法大師・空海誕生の地・善通寺があなたの近くにやって来る!
空海が生まれ故郷の四国で修業時代に遍歴した霊跡は、四国八十八カ所のような霊場として残り、後にその霊場巡りは大衆の信仰と深く結びついた。
空海は唐に渡り、大乗仏教がヒンドゥー教の影響を受けて生まれた真言密教を日本にもたらした。京都の東寺を真言密教の道場とし、さらに近くには私立の教育施設を設けて、それまで貴族の子弟などに限られていた門戸を、庶民にも広く開いた。
「弘法も筆の誤り」といわれるように書家としても知られる弘法大師。
空海(お大師様)が誕生してから2023年で1250年になる。この記念すべき年に、総本山・善通寺(香川県善通寺市)は、お大師様との縁を深めてもらうための記念事業「空海 とわのいのり」を名古屋・東京・福岡の3会場で開催する。
本イベントでは、秘仏「瞬目大師(めひきだいし)」を特別御開帳する。瞬目大師は、弘法大師が唐に渡る前、母親のために御影の池で自分の姿を写して描いたものとされている。
そのほか、お大師様とゆかりの深い御霊跡(香川・善通寺、京都・東寺、和歌山・高野山をはじめとする6力寺)の写し霊場を一堂に会し、各力寺の砂を踏みしめながら参拝してもらう「空海御霊跡お砂踏巡礼」が開設される。
四国八十八カ所霊場巡りをかなえることができない人のために約400年前に考えられたのが「お砂踏み」。各霊場のご本尊の写し仏をまつり、持ち帰った八十八カ所霊場の砂を踏みながら礼拝することで、四国を巡ったことと同じ功徳があると考えられてきた。
お大師様が修行した霊跡を巡る「お遍路」とは異なり、「御誕生」から「御入定」までの足跡をたどり、寄り添ってもらうことで、お大師様を身近に感じてもらえるという。
なお、各会場初日に執り行われる関白法要は、総本山善通寺の法主猊下自らが御導師として修法される。会期中は毎日朝・夕2回の勤行(お務め)が行われるので、来場者の方々も一緒に参拝していただくことも可能。ただし、人数制限あり。
また、来場者には、お大師様が唐から持ち帰ったとされる「金銅錫杖頭(国宝・複製)」を用いた特別御加持を行うとともに、記念御朱印を求めていただくこともできる。「これを機にお大師様とのご縁をさらに深めていただきたい」という。
金銅錫杖頭は阿弥陀三尊像を中心に四天王の持国天、増長天を配し、裏面には阿弥陀如来と両脇侍の立像を広目天、多聞天が守護している。中国唐時代の作で、弘法大師が遣唐使として入唐した際に師事した恵果阿闍梨(けいかあじゃり)から授かり、持ち帰ったものと伝えられている。今回は金銅錫杖頭による特別ご加持を受けられるとともに、複製品に実際に触れてもらい「同行二人」としてお大師様を近くに感じてもらうことが可能に。
国宝「一字一仏法華経序品」(複製)も展示される。法華経序品は弘法大師直筆の書といわれている。法華経を弘法大師が写経し、その行間に弘法大師の母・玉寄御前が如来の図像を描き添えたという。このように経文と仏像を一行おきにあらわした経は「経仏交書経」と呼ばれ、中国の敦煌の出土経にみられるのみで、日本国内での類例は確認されていない。
「空海 とわのいのり」は、名古屋では2月11日(土・祝)から19日(日)の午前9時から午後5時まで名古屋コンベンションホール(名古屋市中村区平池町4-60-12)・グローバルゲート3F、東京では3月8日(水)から12日(日)の同じ時間帯にベルサール飯田橋ファースト(東京都文京区後楽2-6-1)・住友不動産飯田橋ファーストタワーB1、福岡は3月18日(土)から22日(水)の午前9時から午後6時までJR九州ホール(福岡市博多区博多駅中央街1-1)・JR博多シティ9Fで開催される。
入場料は3会場共通で当日2500円、前売り2200円。総本山善通寺制作の記念リストバンド、御札付き。霊跡の参拝には納札10枚つづりを500円で販売予定。詳細は公式サイトで。