2022年の移住希望先としての一番人気は静岡県だった。窓口相談者によるアンケート調査では3年連続の首位となった。全ての年代から人気が高かった。
「静岡県は対面を基本にオンラインも併用しながら、市町等と連携して移住フェアやセミナー、センター相談員と自治体担当者による窓口相談会等を数多く開催し、これらが相談の増加につながった」(ランキングをまとめたNPOふるさと回帰支援センター)。
続いての2位は長野県、3位は栃木県だった。栃木県は前年(2021年)の9位から大きく順位を上げた。ほかに順位が大幅にアップしたのは、和歌山県(12位から8位)、北海道(16位から12位)、熊本県(18位から14位)だった。
さらには、2021年に21位以下だったが、千葉県16位、茨城県18位、兵庫県18位、滋賀県20位となり、トップ20にランクインした。
セミナー参加者へのアンケート結果では、1位は2年連続で広島県という結果に。「広島県は、窓口での相談内容や傾向を把握し、移住希望者のニーズに即したセミナーを県庁担当者自ら企画、年間30回実施することで、セミナーへの参加者を多く集めた」。
大きくランクを上げたのは、2位の新潟県(2021年9位)、10位の富山県(同15位)、11位の岩手県(同19位)、15位の栃木県(同19位)だった。移住希望地のトップ20入りは、高知県7位、岡山県13位、鳥取県16位、香川県20位。
NPOふるさと回帰支援センター(東京)は、同センターの相談者・セミナー参加者を対象に、地方移住に関するアンケートを毎年実施している。
同調査は2009年から行っており、今回が14回目で、調査は2022年1月4日から12月25日まで実施され、回答者数は1万3580件となった。
高橋公(たかはし・ひろし)理事長は「移住希望地では、対2021年比較で、“地方都市”を希望する人が2021年の64.9%から73.6%へと増え、“農村”を希望する人も19.7%から23.8%へと増加した一方、“その他(希望地未定)”が11.4%から3.8%へと減っている」。
「移住時期では”今すぐ(1年未満)が増えた。相談者の年齢は、2021年に引き続き40代以下が全体の7割程度を占めている。これらから、移住希望地が明確な本気度の高い相談が増えている傾向、現役世代や子育て世代が中心であることがわかる」。
「就労形態では“テレワーク希望”が2021年の3.2%から7.7%へと増えており、コロナ禍での世相を反映しているが、この傾向については今後も注視が必要であろう」と語った。
2022年の相談件数(面談、電話、メール、見学、セミナー参加)は、前年比5.7%増の5万2312件となった。2021年を上回り、2年続けて過去最高の相談件数の更新となった。また、移住相談会・セミナー等の開催数は、前年比で14.5%増の647回を数え、相談件数と同様に2021年を上回り、2年連続で過去最多となった。
セミナーの内訳は、オンラインが392回と全体に占める割合は61%、ミックス(オンラインと対面)が124回(19%)、そして対面が131回(20%)だった。2021年にはオンラインが占める割合は82%、ミックスが10%、対面が8%で、オンラインでの開催から会場利用を伴うセミナーへの回帰が進んだ。