学生生活の実態に関して大学生の調査はよく見かけるものの、大学院生についての調査は少なく、その実態をイメージしにくい状況だ。そうした中、アカリク(東京)は、大学院生105人を対象に、大学院の授業形式および経済状況に関する実態調査を実施。それによると、約4分の1にあたる25.7%の大学院生の全ての授業が対面式で行われ、研究室に行く機会が増え、研究に充てる時間が増加していることがわかった。
調査期間は6月16日~6月28日、7月28日~8月1日で、大学院生105人の過程別内訳は、修士が64人、博士が41人。
授業の形態で最も多いのは「一部対面式」で65.7%、「全て非対面式(オンライン)」という大学院生も7.6%いる。一方、「2022年4月以降、生活で変わったことはあったか」という質問に対し「友人関係の構築に戸惑うことが増えた」と答えた人は、「友人関係の構築に戸惑うことが減った」と答えた人の約2.6倍の16人。対面で過ごす機会が増えたことにより、リモート時には感じにくかった孤独や人間関係の難しさを認識するようになったようだ。
「対面での授業とオンライン授業では、どちらが自分に合っていると思うか」と聞いたところ、「オンライン授業」が43.8%、「対面授業」が40%という結果に。オンライン授業と対面授業それぞれに対し、自身に合った授業形式であると感じている様子だ。
一方、「大学院に在学するにあたり、大学や国・公的機関が提供する経済的な支援を受けているか(日本学術振興会特別研究員研究奨励費、助成金、奨学金など)」との質問に対しては、「はい」が47.6%、「いいえ」が43.8%となり、半数近い大学院生が公的機関から経済的支援を受けていることがわかった。普段の生活費については「アルバイト」が58人、「親や親族からの仕送り」が49人、「奨学金」が29人、「研究奨励金(学振)」が14人という結果になった。また、半数以上の大学院生が、日常的に生活費が足りないと感じているようだ。