何かと忙しい日々が続き、スッキリしないことが多いとか、なんだかモヤモヤするときって、誰でもありますよね。今回のコラムでは、「こころ透き通る」をテーマに、安曇野の旅をエスコートします。きっと穏やかで晴れやかな気持ちになれるはずです。
長野県の安曇野地方とは、安曇野市、池田町、松川村、大町市南部、松本市の梓川地区を含むエリアといわれています。扇状地の安曇野は、北アルプスの雪解け水が伏流水となり各所で湧き出る「湧水の郷」と呼ばれています。
「北アルプス」「雪解け水」「湧水」と聞くだけで、ちょっと気持ちが透き通り始めてきますよね。その湧き水がよく分かる場所として、まずは「大王わさび農場」へ向かいましょう。こちらでは、一年中温度変化のない湧き水を使い、通年でわさびが栽培されています。どこまでも続くわさび畑で、モヤモヤをスッキリさせましょう。ちなみに入場料はなんと無料です。
大王わさび農場の駐車場の横には、湧き水の蓼川(たでがわ)と一般河川の万水川(よろずいがわ)が平行して流れ、合流する様子が見学できます。透き通る蓼川には水車小屋もあり、絶好のフォトポイントです。
さあ、こころの3分の1くらい透き通ってきたところで、次なる湧き水の地へ移動です。大王わさび農場から車で数分、安曇野市穂高にある「スープカレーのハンジロー」へ向かいましょう。お店のまわりには湧き水による美しい水路があります。
全国を歩く私が選ぶトップスリーの料理の一つが、こちらの「香味豚のローストと彩り野菜のスープカレー」なんです。優しいとろみに包まれた濃厚で深みのあるカレーは、徹底的にこだわって作られたブイヨンによるものだと思っています。
「飯と汁で朗らかに」という思いでつけた「ハンジロー」という店名。なるほど、腹も満たされ、気付けばこころの3分の2が透き通っています。そんな状態で次に訪問するのは、穂高から車で20分ほど北上した松川村の「安曇野ちひろ公園」です。
公園のトットちゃん広場には、黒柳徹子さんの著書『窓ぎわのトットちゃん』に出てくるトモエ学園の電車が再現されています。「電車の図書室」と「電車の教室」の2両編成で、松川村が長野電鉄から譲り受けたものだそうです。
公園内にある「安曇野ちひろ美術館」では、画家であり絵本作家のいわさきちひろと世界の絵本画家の作品が展示されています。ちひろの描く子どもの作品を見ていると、自分の心の中がさらに透き通り、ついに透明になってしまいました。
日常のモヤモヤでこころがいっぱいのときは、我慢せずに安曇野へ行きましょう。リセットされますよ、きっと。
【旅人略歴】 エスコートK・・・数十年前、旅程管理主任者の1期生として、国内外のツアーをエスコート。現在は生活情報誌の編集長だが、旅の取材だけは自らのカメラを手に、こっそりとデスクを離れ出掛けている。