小学生野球の高円宮賜杯第43回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは11日、大田スタジアムで決勝を行い、新家スターズ(大阪)が6-2で不動パイレーツ(東京)を破り、初優勝を果たした。
新家スターズは0-1の一回に失策と安打などで2点を奪って逆転すると、二回に1点、四回にも宮本の左翼線二塁打などで3点を加えた。大阪府代表の優勝は13度目。
【チームリポート】
▽新家スターズ(大阪)
キャプテン貴志、昨年の雪辱
新家スターズは準決勝で惜敗した昨年の雪辱を果たし、初優勝した。千代松剛史監督は「短いようで長かった。子供たちとの事を思い出しながら、日本一になれた実感がぐっときた」と話した。
六回2死、サード貴志奏斗が三ゴロを好捕して優勝を決めた。昨年の準決勝で敗戦につながる失策をしたキャプテンの貴志は「去年の分を優勝して取り返すつもりでやってきた」と胸を張った。千代松監督の「(昨年)慰めの言葉は掛けなかった。ただキャプテンを任せた」という思いに応えた。
1番打者としてチームを引っ張った宮本一希は、失策で出た一回に次打者の安打で生還し、四回には左翼線に適時二塁打。今大会は16打数10安打で、12得点8盗塁と驚異的な活躍だった。宮本は「去年は代走として準決勝に出て悔しい思いをしたから、借りを返そうと思っていた。(自分の活躍は)ちょっとびっくりです」と喜びをかみしめた。(勝村和弥)
▽不動パイレーツ(東京)
準Vをたたえる
不動パイレーツの永井丈史監督は「すごく立派。優勝とは言ったが、自分が想像できていなかった」と準優勝をした選手をたたえた。
練習は基本的に週2回。東京都内のグラウンド使用の申請をし、抽選に当たればどこにでも行って練習する。「特別体が大きい子がいるわけでもなく、プロ野球のジュニアチームの子もいないが、チーム力で戦うことができた」と振り返った。
先発登板した主将の永井大貴は「悔しかった」と言いながら「新家スターズはいい打者ばかりだった」と相手の強さを認めた。大会3本塁打の小原快斗は「楽しかった。いい雰囲気で終われた」と充実感を口にした。
永井監督は「子供たちなりに大人になった」と一人一人の成長を実感しているようだった。(畑岡峻介)