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八日市場(千葉)が逆転サヨナラ勝ち 全日本学童野球の準々決勝

 小学生野球の高円宮賜杯第43回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントは9日、大田スタジアムなどで準々決勝を行い、初出場の八日市場中央スポーツ少年団(千葉)が富永孝太郎の逆転サヨナラ2ランで2-1と波佐見鴻ノ巣少年野球クラブ(長崎)を下した。

 10日の準決勝は、大田スタジアムで八日市場中央スポーツ少年団(千葉) ― 不動パイレーツ(東京)、新家スターズ(大阪)― レッドサンズ(東京)の組み合わせで開催される。

【準々決勝の結果】
・八日市場中央スポーツ少年団(千葉)2-1 波佐見鴻ノ巣少年野球クラブ(長崎)
・不動パイレーツ(東京)12-2 簗瀬スポーツ(栃木)
・レッドサンズ(東京)5-0 甲斐ジュニアベースボールクラブ(山梨)
・新家スターズ(大阪)4-1 大里シャークス(沖縄)

【8月9日:大田スタジアムで行われた試合のリポート】

▽八日市場中央スポーツ少年団(千葉)2-1  波佐見鴻ノ巣少年野球クラブ(長崎)

 八日市場「夢のよう」な逆転サヨナラ

 初出場の八日市場中央スポーツ少年団が富永の逆転サヨナラ本塁打で準決勝進出を決めた。宇野貴雄監督が「夢のよう。まだ信じられない」と振り返る劇的な勝利だった。

 0-1の六回1死、9番椎名航平が右中間二塁打。1番宇井貴浩が8球粘って好投していた相手先発を球数制限ルールで降板させた。2死二塁で打席に向かう富永は「準備はできていた。(代わった)相手の投球練習を見て甘めにくると思っていた」と高めの速球を左越えに運んだ。

 五回までわずか2安打。0-1の点差以上に押されていたが、富永は「まだ終わりではない。強気の気持ちでいた」という。その気迫が土壇場で「自分で打って決めようと思った」とフルスイングを生んだ。(渡邉壱輝)

六回、逆転サヨナラ本塁打を放ちホームに向かう富永(9日、大田スタジアム=勝村和弥撮影)
六回、逆転サヨナラ本塁打を放ちホームに向かう富永(9日、大田スタジアム=勝村和弥撮影)

 

▽不動パイレーツ(東京)12-2 簗瀬スポーツ(栃木)

 阿部成真が2試合連続本塁打

 不動パイレーツは四回に打者11人で7点を取るなど打線がつながり、準決勝にコマを進めた。四回に2試合連続本塁打となる3ランを放った4番の阿部は「打ったのはインコース高め。点差があったため気楽に打てた」と振り返った。捕手で先発し、五回には投手で1イニングを抑えた。

 父の巨人・阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチから技術的なことは「習っていない」という。言われているのは「マン振り(フルスイング)と打席に入る前に2回素振りをすることだけ」と語る。シンプルな教えを守っての快打が続く。

 準決勝を前に永井丈史監督は「技術よりも勝ちたい気持ちが大事」と盛り上がるチームをさらに鼓舞した。(畑岡峻介) 

四回、3ランを放ってベースを回る阿部(9日、大田スタジアム=吉田妃麻里撮影)
四回、3ランを放ってベースを回る阿部(9日、大田スタジアム=吉田妃麻里撮影)

全試合の詳報、ライブ配信は、高円宮賜杯 第43回 全日本学童軟式野球大会HPで配信中。