社会

自然災害への企業の備えはいま?  今年は関東大震災100年の節目

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 死者・行方不明者数が10万人を超えた国内最大の災害、関東大震災から、今年は100年の節目。自然災害は、個人はもちろん企業活動にも大きな影響を与えるが、「関東大震災100年」に対する企業の意識調査(帝国データバンク・東京)によると、100年の節目であることを知っていて、かつ震災への備えに取り組んでいる企業は16.5%と、案外低め。認知度が高かったのは、東京をはじめ、近年被災している福島や熊本などだった。

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 5月18~31日、全国の2万7930社を対象に調査、有効回答企業数は1万1420社(40.9%)。地震に限らず、豪雨や台風などの自然災害が多いニッポン。首都直下地震や南海トラフ地震などの大地震も発生の確率が高いと予見されている中、緊急事態への備えは企業価値の維持・向上という観点からも重要だ。9月が近づいて、関東大震災から100年という報道も増えているが、これを知っている企業は全体の42.5%と半数以下。都道府県別にみると、東京(52.9%)や神奈川(52.1%)など関東に本社を置く企業、原発事故があった福島や地震で被災した熊本など、過去の被災地域では比較的認知度が高かった。

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 震災への備えに取り組んでいる企業は全体の38%。備えについては、従業員数が多い企業ほど「取り組んでいる」割合が高い。

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 関東大震災から1年後に帝国興信所(現在の帝国データバンク)の社員が震災当時のことを振り返った手記には、「火災が起こらなかったならば・・・・・・吾々(われわれ)会社の生命とも称すべき大切の書類を無くするようなことはなかったと思います」と、書類が火災によって消失したことを嘆いていたり、「興信所にもどり、重要書類を自動車に運んだ」と混乱した状況下で資産の保護に走ったりする様子がうかがえた。