高齢化社会の進行とともに、不安が大きくなってきたのが空き家問題だ。相続する人がいなかったり、いても高額な解体費用から相続を放棄する人が多かったりすることから、放置される空き家が増えている。クロス・マーケティング(東京)が9月に、全国20~79歳の男女3000人を対象に実施した「住まいに関する調査(2023年)意識編」でも、空き家問題が深刻化している実態が明らかになった。
まず、自宅近くに空き家があるかどうかを質問したところ、「ある」と回答した人は全体で29%となり、同様の調査をした2021年の28%よりも上昇した。これをエリア別でみた場合、東北(39%)、中国・四国(37%)、九州・沖縄(35%)での空き家率が高く、関東(24%)、北海道(25%)などが低い。
近所の空き家について、問題点や不安な点を質問すると、「害虫が増えたり、伸びた枝が隣家の敷地に入るなど、周囲の家が迷惑を被る」(47%)、「老朽化による倒壊が心配」(39%)、「不審者の侵入や放火による火災など、防犯面に不安を感じる」(35%)などの回答が目立つ。2021年の調査と、問題点について大きな変化はみられなかった。