理系の本だと一歩引いてしまうけれど、彼の本には引き込まれるという人は少なくない。小林秀雄賞を史上最年少で受賞した前作、『数学する身体』から8年。人工知能の時代にヒトという存在の根幹を問う独立研究者、森田真生さんの『計算する生命』の文庫版(新潮社・東京、税込み630円)が刊行された。哲学者の下西風澄さんが解説を寄稿している。
計算の歴史をメソポタミア文明までさかのぼり、ユークリッドやデカルト、リーマン、ウィトゲンシュタインといった先人たちの足跡をたどりながら、最新の認知科学研究や人工生命研究をも参照しつつ、生命や生きることの根源まで到達し、新たな地平が切り開かれる一冊。第10回河合隼雄学芸賞を受賞し、中沢新一氏など選考委員からは「数学を直観において概念を構成していくダイナミックなプロセスととらえ、そこに生み出された拡張的な認識を解説し、生命の秘密に迫ろうとした力作」という評価を得ている。
文庫版の刊行を記念して、各地でさまざまなイベントも企画されている。
12月3日(日)
ピアノバーアドリアーナ(名古屋)〈 https://club-adriana.jimdofree.com/ 〉
12月5日(火)
青山ブックセンター(東京)〈 https://aoyamabc.jp/ 〉
12月8日(金)
ふるえる書庫(大阪)〈 https://www.instagram.com/furueru_shoko 〉
2月4日(日)
寄り道バザール(山口県・周防大島)〈 https://www.yorimichibazar.com/ 〉