これから初夏にかけて、いちごがおいしい季節──そんな中、全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する農業総合研究所が、最盛期を迎えたいちごについて、今年の傾向をまとめた。調査は、1月1日〜1月31日に行ったスーパーマーケット担当者へや生産者へのヒアリングと販売データを基に導出している。
それによると、2000店舗以上の「農家の直売所」の出荷データを調べたところ、近年いちごは「酸味が強い品種」よりも「甘さが強い品種」が人気となっているという。中でも「甘さが強い品種」として大きな伸びを示しているのが「おいCベリー」で、同社の昨年の出荷量は、一昨年に比べて220%と大きな伸びとなった。
「おいCベリー」はその名の通り、ビタミンCがいちごのなかでも特に多く、7粒で1日に必要なビタミンCを摂取できるほど。濃赤色で光沢のある果肉は糖度が高く、食味も良好で、日持ち性も優れている。
一方、いちごの代表的な品種である「紅ほっぺ」は、同じく「農家の直売所」での出荷量を調べると、一昨年と比べて94%と減少。比較的小さく、果肉は中心部まで淡赤色で断面が美しく、ケーキによく用いられる「紅ほっぺ」は酸味がやや強いのが特徴だ。
価格については、「農家の直売所」のデータで、昨年11月の平均単価(1パックあたり)は655円(1年前と比較して109%)、12月は722円(同108%)、今年1月が720円(同100%)と推移し、1年前と比べて1割弱の値上げにとどまっている。