高橋海人が主演するドラマ「95」がテレ東系で放送中だ。早見和真氏の青春小説が原作の本作は、大人の作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生たちの熱き青春群像劇。
本作で高橋が演じる主人公・Q(広重秋久)の高校の同級生・岸セイラ役を演じる松本穂香、レオ(堺怜王)役の犬飼貴丈、ドヨン(新川道永)役の関口メンディーがインタビューに応じ、撮影現場の雰囲気や高校生時代の熱き思い出などを語ってくれた。
-本作は1995年の渋谷を舞台にした青春群像劇ですが、最初に本作の企画を聞いたときのお気持ちや、脚本を読んだ印象はいかがでしたか。
松本 男の子たちでワチャワチャして、がむしゃらに“その時を生きている”姿がいいなと思いました。青春のすごくいい時間だなと感じたので、演じられることがありがたいなと思いましたし、のめり込んでやれたらいいなという気持ちになりました。
犬飼 脚本を読んで、すごく面白いなと思ったので、そこから気になって原作を読みました。僕はあまり小説を読む方ではないのですが、この作品のストーリーや世界観が好きだなと感じて、作品に対する気持ちが膨らんでいきました。
関口 僕が高校生の頃は野球をやっていたのですが、周りには部活に入らず「95」に出てくる高校生のような青春を送っている友達もいて、そういう青春を経験してみたかったという憧れがあったので、この作品に出ることができてうれしかったです。「カッコいい大人ってなんだろう」という作品に込められているメッセージも、僕が日頃から思っていることで、何かに一生懸命になって生きることは大事なことだと思うので、一演者として、そのメッセージを発信できることをうれしく思いました。
-皆さんが演じているキャラクターの魅力を教えてください。また、演じるうえでどんなことに気を付けましたか。
松本 セイラは少し大人びて達観しているように見える女の子ですが、実は1人では何もできない小さい子のようなところがあるので、Qちゃんとお芝居するときも、そういう部分を軸に持って、迷子のような危うさみたいなものも意識しながら演じました。
犬飼 レオは、1回弾けると行くところまで行ってしまうような二面性のあるキャラクターです。行き切っているけれど、そうじゃない部分があって、その乖離(かいり)しているところをどう違和感なく成立させるかというのが、自分の中のテーマで難しいなと思いました。外見は1995年の頃の木村拓哉さん風のヘアで、当時を感じてもらえたらいいなと思っていたのですが、長さが足りなくて悔しい思いをしました。でも、少しエッセンスはあるのかなと思うので、外見も懐かしんで見ていただければうれしいです。
関口 最初に自分の中でイメージしていたドヨンは、少しクールで物静かな感じでしたが、監督と作っていく中で、年相応の元気さが少しあるといいというお話を受けて、お芝居の仕方を変えていきました。ドヨンは発している言葉が大人びていたり、俯瞰(ふかん)してみんなを見ている部分もありますが、実は自分に自信がなかったり、過去のトラウマにとらわれているところがあって、そういう部分は昔の自分を見ているようで感情移入しながら演じました。
-撮影現場で思い出に残っているエピソードはありますか。
松本 学校のロケのときに、みんなが空き時間に豆知識をなぜか1人ずつ言っていくという流れになって言い合ったのが楽しかったです。犬飼さんが「俺、意外と肉食」という豆知識を言っていたのが1番面白くて印象に残っています。
犬飼 そのエピソードに食い込むことができて光栄です(笑)。僕が1番印象に残っているのは、学校のシーンを初めて撮影した日に「おはようございます」と現場に入って行ったら、メンディーさんが読書をされていて、何を読んでいるんだろうと思ったら(鈴木おさむ氏の)『仕事の辞め方』という本だったので、僕はそれに打たれてしまって。この現場は楽しいことになるぞと思って、そこから現場で自分らしくいられたなと思います。
関口 お世話になっている方の本なので読んでいたんです(笑)。僕が思い出に残っているのは、高橋くんと犬飼くんとASMR(聞くと脳の神経にいい刺激が送られるような心地いい音)の話になって、みんなでASMRをやろうといって、自分が食事したときの音を録音して、音声メモをお互いに送り合うというのをやっていたことです。