おなかの中の赤ちゃんに、絵本を通して愛情を届けてみよう――。一般社団法人「マタニティ期から絵本読みきかせ推進協会」(またよみ協会、神奈川県伊勢原市)が、このほど発足した。
同協会は、2021年以降、各地での講演会、オンライン講座等で、マタニティ期に絵本を読むことの意義を伝えてきた。マタニティ期だけでなく、子育て中の親たちの受講も多く、「子どもが生まれる前に絵本のことをもっと知りたかった」「また子どもを授かったらお腹の中の子にも読んであげたい」などの声も多く届いてきたという。今後、法人として活動していく中で、行政や企業などへの提案も行い、「母子手帳とともに絵本を手渡す」ムーブメントを日本中に起こすことを大きな目標としている。講演会の豊富な実績を持つ、代表の内田早苗氏をはじめ、絵本専門士、絵本講師、英語絵本教室の指導者などのメンバーで、幅広い知識と経験でマタニティ期から絵本のある暮らしをサポートしていく。
「おなかの中の赤ちゃんに向けて絵本を読んでいたら、誕生後、子どもにどんないいことがあるの?」という点については、またよみ協会ではあまり重視していない。赤ちゃんがおなかにいるときにこれをするといいらしい、といわれるいわゆる“胎教”ではなく、「今、ここにいる命に愛情を届ける」手段という位置付けで絵本を読むことを薦めている。そんな今できるほんの少しのことをやってみることで、ママ・パパとしての自信をつけてほしいという願いが込められている。
一般企業へは、産休・育休を取得する従業員に絵本を手渡すことや、社内のパブリックスペースに絵本や子育て本の貸し出しコーナーを設けるなど、会社と家庭をつなぐ場を提案することを提案していく。また、社内のパブリックスペースでランチタイム等に、マタニティ読み聞かせ講座・子育て講座などを受講できる仕組みもサポートする。さらに、マタニティ期の読みきかせへのアドバイスに必要な知識を得られる「またよみ協会公認サポーター制度」も設ける。講座の開講は2024年9月を予定している。
個人・法人の年間会員を募集。個人は1口1200円から、法人は1口1万円から申し込みできる。個人については、5口以上での申し込みの場合は、またよみ協会が発行する紙面やウェブサイトで名前を掲載。法人会員については、同協会が発行する紙面やウェブサイトで法人名を掲載する。また、月間1000円の「またよみフェローシップ(個人)」に申し込むと、絵本や子育てについての学びや研究・調査への参加や、さまざまな講座の受講ができる。