毎週月曜夜10時からカンテレ・フジテレビ系で放送している、ドラマ「モンスター」。趣里演じる主人公・神波亮子は、“高校3年生で司法試験に合格した”人物で、膨大な知識と弁護士として類いまれなる資質を持つ“モンスター弁護士”という設定。しかし今年、ドラマの設定を越え、現役の高校2年生が司法試験に合格した。
現在の試験制度において、史上最年少で司法試験に合格したのは、筑波大学附属駒場高校2年生・早川惺(はやかわ・しょう)さん(17歳)。彼は昨年、高校1年生で「予備試験」に合格し、今年2024年、「司法試験」に見事合格した。
ドラマ「モンスター」のプロデューサー・加藤春佳(カンテレ/入社7年目28歳)さんも、カンテレ史上最年少ドラマプロデューサーでもある。“リアルモンスター”×ドラマプロデューサーの史上最年少 対談が実現。インタビュー形式でお届けする。
Q:まずは、司法試験合格おめでとうございます。今の心境は?
早川 やっぱりめちゃくちゃうれしかったです。試験は、最後まで何があるか本当にわからないので、 自分の番号を見た瞬間はホッとして、喜びと安心感が混ざった不思議な感情になりました。これからさらに掘り下げて、著作権や特許など専門的に勉強したいなと思う分野もあって、今からワクワクしています。
加藤P 終わったばかりで、もうワクワク…。これからさらに知識を深めていこうという姿勢がすごいですね。昨年、予備試験に受かった際はいかがでしたか? 合格率3~4%という狭き門ですが。
早川 そうですね、昨年もめちゃくちゃうれしかったですね。
加藤P そのうれしいっていうのは、努力が実ったことがうれしいのか、その先を見据えてのことがうれしいのかでいくと?
早川 それは後者ですね。これから色々できることが増えるっていう。
Q:改めて、司法試験に挑戦しようと思った理由を教えてください。
早川 僕は、中学受験をしまして、中高一貫校の筑波大学附属駒場中学校という学校に入学したのですが、中学受験が終わった後、将来何になりたいか、明確な目標がなくダラダラしていた期間が結構長かったんです。でも、その間も学校の友人たちはすごく頑張っていて。例えば、化学で賞を総ナメにしていたり、プログラミングの分野で世界的に活躍していたり、すごい友人たちが近くにいて、彼らは自分たちのスキルを突き詰めて、多くの実績をあげていました。でも僕は何も夢中になれるものがなく、将来何をやりたいんだろうって、中学校3年生になり思い悩むようになりました。
それで最初に思い出したのが、公民の授業がめちゃくちゃ好きっていうことでした。討論形式で、日常的な題材をもとに議論するのですが、それがもう面白くて面白くて、かじりついて授業を聞いてたんです。
それで、 もしかしたら、これなら夢中になってやれるんじゃないか、将来やりたいことにつながるかもしれないと思い、中学3年生のクリスマスプレゼントに六法全書をお願いして、勉強するようになりました。実際に勉強を始めてみたら、これがもうめちゃくちゃ面白くて。社会の仕組みや法の仕組みを勉強すればするほど、もっと知りたいっていう、スパイラルに入っていった感じです。それで、司法試験には年齢制限がないので、受験資格を得るための「予備試験」をまずは目指してみようと思い、中学3年生が終わる2月から「伊藤塾」のオンライン講義を受講しました。
Q:そこから勉強されて、高校1年生の夏の予備試験に合格されているので、実質半年くらいで合格されたということですよね。それが、伊藤塾の先生からすると、すごいことだとおっしゃられていました。
早川 確かに期間は短いと思います。僕としては、学んでいくことが楽しくて夢中になって取り組んだことと、逆に夏の試験まで時間が限られていたので、ギュッと集中して勉強したことが合格につながったのかもしれません。
加藤P すごいですね。中学生のときにすでに目標を明確に見つけられたと…私は中学3年のとき何をしていたんだろう…(笑)。実際合格してみて、周囲の反応はどうでした?
早川 家族も友人も、おめでとう!と喜んでくれました。ただ、家族は「まだ受かっただけだからね」と。「入口に立っただけだから、ここから先の方がずっと大事だから」と言われました。それは本当にその通りだなと思っています。
加藤P それは、お父様からですか?
早川 はい。父からそういう風に言われて、その通りだなって思いましたし、ありがたかったですね。
加藤P 合格発表はご家族一緒に見に行ったのですか? それはどこかに掲示される?
早川 はい。両親と一緒に、法務省に貼り出されるので、見に行きました。ちょうど代休の日だったので、見に行くことができました。