近畿経済産業局は2月13日、企業のカーボンニュートラル対応を促すために省エネ技術指導員をモデルにしたトレーディングカード「省エネおじさんカード」を発表した。金融機関の法人取引担当者を招いた大阪市内の交流会では、参加者がカードを使って楽しく「対戦」しながら、省エネ意識を高めた。
省エネおじさんカードは、「火」(赤)、「水」(青)、「風」(緑)、「光」(黄)の属性ごとに、実際に省エネ技術指導員として働く4人の男性をモデルに制作。それぞれに、「蒸気バルブの保温対策をした場合」など省エネ実施例と、それに伴う二酸化炭素(CO2)の年間削減量、エネルギーコスト削減額が示される。2人で同じ枚数のカードをじゃんけんのように出し合い、属性の種類やCO2削減量による勝敗が決まり、勝った方がカードを獲得。最終的に、CO2削減量の多いカードを保有している人が勝ちとなる。
近畿経済産業局によると、省エネに取り組むための知識には専門用語も多く、技術系の職員以外は理解しづらい面がある。カードを使うことにより、関係者同士が交流しながら省エネ対策を進めることにつなげてもらう。
交流会「GX CROSSROAD」には、金融機関から約50人が参加。実際にカードで対戦した金融機関の職員は「ゲーム形式になると、専門用語が身近に感じ、(企業に)関心をもってもらえると思う」と話した。
省エネおじさんカードのモデルともなった省エネ技術指導員の毛利哲也さんは、「遊び感覚で(省エネ対策を)なるほどと感じてもらえれば、(理解の)敷居が低くなるのでは」と、カードの効果に期待している。