たとえば「一段落」。辞書的には「いちだんらく」だが、「ひとだんらく」と読む人も少なくない。人によって読み方が異なる言葉は案外多く、「慣用読み」として複数の読み方が共存しているから、どちらが正解か迷うこともある。きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」(バイドゥ・東京)は、読み間違えやすい語句について、本来の読み方とは異なる“誤読”でも正しい漢字が変換候補に表示される機能を搭載しているが、慣用読みが一般化した表現にも対応できるように、対象語句を拡充してアップデートした。
従来から、明らかな誤読でも“正解”にたどりつける機能は搭載していた。たとえば、「こうそう」と入力しても、本来の読みが「こうてつ」である「更迭」が変換候補に表示され、誤読からでも正しい漢字が判明する。今回は加えて「慣用読み」も対象になった。ユーザーが“ひとだんらく”と入力しても「一(いち)段落」といった変換候補が表示され、選択すると読みは自動的に消え、漢字のみが入力される。「重複」「続柄」なども同様だ。本来の読み方と異なる読みで入力しても、ユーザーは自然に本来の読み方を知りながら、正確な日本語入力を行える。