日本人で初めてビール醸造に取り組んだとされる幕末の蘭学者・川本幸民のふるさと、兵庫県三田市。同県南東部に位置し、豊かな自然と美しい街並み、歴史や文化、レジャーなど、さまざまな魅力を持ち、大阪や神戸などの大都市からもアクセスしやすい街だ。三田市では、川本幸民の業績と進取の精神をたたえ、「三田ビール検定」を毎年開催している。ビールの歴史や醸造学を学び、三田の歴史・文化・風土、そして豊かな食に親しんでいただくユニークな検定。8回目を迎える今年は、11月3日(月・祝)14時から、三田市まちづくり協働センターで開催する。
幕末の蘭学者川本幸民は、1810(文化7)年に三田藩医川本周安の三男として生まれた。江戸幕府の洋楽研究教育機関「蕃書調所(ばんしょしらべしょ)」で洋書を翻訳し、「化学」という言葉を初めて使用。「日本近代化学の祖」といわれている。また、幕末の1853(嘉永6)年ごろ、日本人で初めてビール醸造実験を成功させたとされる。ほかにも、マッチの製作や写真撮影に成功するなどの功績を残し、三田小学校の校門前には顕彰碑が建てられている。
三田ビール検定の受検資格は20歳以上(受検時)で、定員200人。検定料は1人3000円(ペア・グループ割引あり)。検定内容は4択式・50問。必須問題は、「ビール文化」が15問(30%)、「三田の歴史文化」が15問(30%)。選択問題は、「ビール文化 or 三田の歴史文化」で20問(40%)。初級(正解60%以上)~四段(三段合格者で正解80%以上)があり、初めてチャレンジする場合は初級を受検する。問題はすべて同じで、飛び級はない。
検定終了後には同会場で、16時ごろから検定問題の解答解説を実施。別途、2026年2月15日(日)に合格者のつどいを予定している。
検定に向けて、ウェブ上で気軽に受講できる検定セミナーも実施する。また、9月27日(土)に三田市とゆかりのある北海道浦河町との縁をテーマにしたまち歩きのほか、キリンビール神戸工場見学(8月~10月)などのオープンセミナーがある。参加すると検定時に加点される。そのほか、「三田ビール検定公式テキスト」(税込み550円)、過去問(各回300円、送料込み)も販売している。
検定やセミナーの、テキストなどの詳細、申し込み方法は、第8回三田ビール検定のホームページに掲載している。