「スマホを置いて、海を見にいこう」――。デジタルネイティブ世代の大学生が、「デジタルデトックス」をテーマに、地方の小さな町の観光スポットの紹介に取り組んだ。近畿大学経済学部(大阪府東大阪市)総合経済政策学科教授 片岡博美ゼミの3年生23人がこのほど、福井県おおい町との官学連携プロジェクトで、おおい町の魅力をPRするパンフレットを制作した。
関西圏・中京圏から車で約2時間の福井県おおい町。同プロジェクトは、2024年に開催された「おおい町まちづくりアイデアコンテスト」で「特別賞」を受賞した、「片岡出版社班」(現4年生7人)のアイデアを実現させたもの。2025年8月に、「パンフレット現地取材班」の3年生8人がおおい町でフィールドワークを実施。町民へのインタビューや自然体験、観光施設の調査などを通じて「デジタル機器を手放す時間の豊かさ」を体感したという。その経験をもとに、ゼミ生23人全員で議論し、スマートフォンなどのデジタル機器から意識的に離れ、心身をリフレッシュさせる「デジタルデトックス」をテーマにした地域PRパンフレットを制作した。
パンフレットでは、おおい町の4つの宿泊施設を拠点に、町内の魅力的なスポットを紹介。海辺の散策や、海辺や大自然の中でのBBQ、川でのニジマスつかみ体験、湖でSUP(スタンドアップパドルボード)体験、無住集落を丸ごと独占できる上質な一棟貸し施設などを、大学生たちの生き生きとした様子を通して伝えている。
プロジェクトの成果は、11月29日(土)に同町の「SEE SEA PARK」で開催される「おおい町まちづくりアイデアコンテスト」活動報告発表会で、ゼミ生20人が参加して完成したパンフレットを発表するとともに、おおい町長をはじめとする町の関係者に渡されるという。おおい町関係者との意見交換も行い、学生たちは今後、地域社会の課題解決に向けた実践的な企画立案力を養い、将来、成果を政策提言へと発展させることを目指していくとしている。
片岡ゼミでは、社会人と同じ目線で課題に向き合い、実践的な地域活性化策を立案・実現する機会として、産官学連携を推進している。今回は、デジタル機器に囲まれた現代社会の中で「心と体を休める地域の価値」を再発見しようと、福井県おおい町まちづくり課と連携し、官学連携プロジェクトを実施したという。










