
京都市左京区にある尼門跡寺院「霊鑑寺」。通常は非公開の同寺院だが、3月20日(木・祝)~4月13日(日)まで、「春の特別公開」を開催する。
尼門跡寺院とは、皇族・公家など、高貴な女性の入寺によって営まれてきた独特な品格を持つ寺院のこと。霊鑑寺は、承応3(1654)年に後水尾(ごみずのお)天皇の皇女・多利宮(たりのみや)を開基として創建されて、歴代皇女が住職を務めてきた。後水尾天皇が椿を好んだことから、広い庭内には100種類以上の椿が植えられていて、「椿の寺」としても知られている。
「春の特別公開」では、日光椿(京都市指定天然記念物)をはじめ、散椿、白牡丹椿、舞鶴椿など、さまざまな椿が咲き誇る庭園を眺めることができる。また、後西(ごさい)天皇の院御所から移築した書院も見ることができる。書院内部と本堂をガイド付きで公開し、江戸幕府十一代将軍・徳川家斉(とくがわいえなり)が寄進し、如意輪観音像が安置されている本堂を参拝できる。書院内での見どころは「四季花鳥図」など狩野派の作と伝わる華麗な障壁画の数々。
さらに今年は、書院内で雛人形(有職雛)が飾られる。こちらは約360年前、家斉が霊鑑寺の尼宮様に贈ったものとされる雛人形。全長約110センチもあり、見応え十分。
毎年、庭園入口には、椿を用いたフォトスポットを設置。その時に咲いているピンクや白など色とりどりの色彩の椿があしらわれている。また、公開期間中にしか購入できない霊鑑寺オリジナルの御朱印帳も販売。椿があしらわれた御朱印もぜひ手に入れたいものだ。
「春の特別公開」の拝観時間は10時~16時30分(最終入場16時)。拝観料は大人 800円、小学生 400円、幼児無料。団体15人以上720円(すべて税込み)。
