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伝統素材と廃棄物で生み出す新たな循環型ものづくり Kamioraがギフト・ショーで新作発表

紙布の糸

 日本の伝統素材「紙布(しふ)」と廃棄予定の鉄粉とは、なんとも意外な組み合わせだ。Raymaka(広島市)が展開するブランド「Kamiora(カミオラ)」は、2月4日から東京ビッグサイトで開催される「第101回東京インターナショナル・ギフト・ショー」で、紙布と鉄粉を用いた新作プロダクトを披露する。テーマは「素材の物語を、現代の暮らしへ」。地域産業の副産物と伝統技術を掛け合わせ、環境配慮と美しさ、実用性を両立させた循環型ものづくりを提案する。

 紙布は、和紙を細く裁断しよりをかけて織り上げる日本独自の織物。軽やかで空気を含むような質感が特徴で、古くから衣服や生活用品として親しまれてきた。Kamioraが展示する紙布は、広島県江田島で独自に製作したもの。織り構造の工夫と撥水加工により、紙素材でありながら高い耐久性を備え、日常使いに適した現代的テキスタイルへと進化している。

 一方、鉄粉を活用したプリントは、尾道市向島町の立花テキスタイルが考案した技法によるもの。鉄工所で発生し廃棄されてきた鉄粉を尾道帆布にプリントすることで、工業素材ならではの力強さと偶然性を持つ唯一無二の表情が生まれる。廃棄物を「資源」として再解釈し、地域産業とデザインをつなぐ取り組みとして注目される。

 Raymakaは、環境配慮を“素材を使い続ける仕組み”として捉える。失われつつある技術や副産物をプロダクトとして再構築し、日常の中で価値を循環させることを目指してきた。今回の展示は、伝統・産業・環境を横断する同社の姿勢を象徴するものだ。

 会場は東京ビッグサイト「LIFE×DESIGN」西1ホールAC-28。紙布を用いた新作テキスタイル、鉄粉プリントの表現、素材開発の背景展示などが並ぶ予定だ。ブランドの詳細は公式サイトで公開されている。

反物として織る