カルチャー

“子どもは泣くのが仕事” 島根県の「ことのは大賞」、入賞作品を公表

 子育ては喜怒哀楽の宝庫。そして家族との関係は、家族だからこそ難しかったりあり得ないほどシンプルだったりする。多くの人が全く異なる経験をしても、そこには通奏低音のように共感できる旋律がある。島根県が募集した「ことのは(言葉)」にも、そんなひとことが並んでいる。

 島根県は、誰もが子どもに関心をもち、子どもや子育てを大切にし、それを行動に移すような気運を醸成しようと、子どもや子育て、家族に関するうれしさ、感動などをひとことで表した「ことのは(言葉)」を毎年募集している。今年度は、全国から3872点の応募があり、入賞作品がこのほど公表された。

 一般の部で島根県知事賞を受賞したのは、秋田県の吉川ひかるさん。「『大丈夫。子どもは泣くのが仕事なんだから…』とバスで一緒にあやしてくれたおばあちゃん」。幼い子どもを連れて外出した時、公共の場でかけられた優しい言葉にホロッとした経験を持つ人は多い。特に先輩ママや祖父母世代に「大丈夫」と言ってもらえるのは、育児書を開くより心を落ち着けてくれる。

 青少年育成島根県民会議会長賞は愛知県の立松あや子さんは、「わたしが不登校になった時、真面目すぎるとみんなが言った。母だけが怒ってくれた。真面目の何がいけないの、と」。近くにいる家族だからこそかけられる親身な言葉がきっとある。そのままでいい、という肯定は、困難な時に勇気をくれる。

 こっころ(県内子育て応援パスポートの愛称)の部で島根県知事賞を受賞した匿名希望の高校生は「『今日学校でねー…』と話すとお母さん、見てたスマホをすぐ閉じて聞いてくれる。」と書いた。スマホの「ながら」でも話は聞けるが、やはり“片手間”。子どもはちゃんと見ているのだと分かる。