さまざまな変化に柔軟に対応していかねば立ち行かないビジネス。企業が選んだ今年の漢字は、2年続けて「変」がトップだった。帝国データバンク(東京)が12月6日~10日に実施した調査で、有効回答企業数は1320社。
年末の風物詩として毎年12月に京都の清水寺で発表される「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会)は、今年で30回目の節目だが、企業に一年の事業活動を表す漢字について聞くのは2023年に続き2回目だ。「アメリカ大統領や日本の首相が変わり、世の中の仕組みも変化が激しい」(化学品製造)、「変わらなければ埋没してしまう」(医薬品・日用雑貨品小売)と、国内外のさまざまな変化に直面する中で、企業も前向きに変化した1年を捉えた「変」がトップに。2位に「耐」、3位には「忍」が続いた。「人手不足により現状維持が精いっぱいなため」(建設)、「価格転嫁できる状況にはなく、耐え忍ぶ我慢の一年であった」(飲食料品卸売)と、物価高や人手不足などの困難な状況に耐え忍んだ状況が浮き彫りに。
4位は、新商品や新入社員、新事業、新拠点など新たな挑戦を表す「新」のほか、「忙」と「高」が並んだ。「経済の回復に後押しされ、多くの新たなチャレンジができた一年」(金融)や、「この一年、業務は多忙を極めうれしい悲鳴となった」(専門サービス)、「原料高や人件費高、物価高、株高だったため」(飲食料品小売)といった声が聞かれた。