まめ学

介助犬にならなかった犬たちの活躍も応援  日本介助犬協会が愛知県長久手市へのふるさと納税活用で支援呼び掛け

 手足が不自由な人の自立や社会参加のパートナーとなる「介助犬」。その育成・啓発活動などに取り組む日本介助犬協会(愛知県長久手市)が、長久手市へのふるさと納税を活用したクラウドファンディングで活動支援を12月31日まで募っている。

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 盲導犬が目の不自由な人の目となり障害物や曲がり角の存在を知らせるように、訓練を受けた介助犬は肢体不自由者の手足となり、日常生活における動作の補助を行う。現在、日本では58組(2023年10月時点)の介助犬が活躍しているが、潜在的な介助犬希望者は全国で約1万5000人いるといわれているという。

 介助犬の育成には、子犬の頃からの健康診断・ワクチン接種・治療費といった健康管理のための費用や犬舎管理費用、訓練のための交通費など、育成にかかる費用は獣医療費として年間約500~700万円、飼育費として年間約1000万円。介助犬とユーザーのペアが1組誕生するまでにかかる費用は約250~300万円。このような介助犬育成費用の9割以上が寄付で成り立っているのが現状という。

 また、同協会は、介助犬にはならなかった犬たちと人をつなぐさまざまな活動も展開している。障がいを持つ子どもがいる家庭へ、子どもと犬の両者の個性をマッチングして犬を譲渡する「With Youプロジェクト」、犬の病院への訪問(動物介在活動)や、特定の患者に対して医師の依頼を受けて行う「Dog Intervention(犬による介入)活動」など、一人一人のニーズに寄り添った活動をしている。このような介助犬以外の道へ進む犬たちは全体の7~8割いるが、育成に関する公的な補助はないという。

 支援は1万円からで、返礼品は、同市の介助犬専門訓練センター「シンシアの丘」のチャリティーグッズセット(トートバッグ・クリアファイル)。今回ふるさと納税を通じて寄せられた支援は、介助犬以外の道へ進む犬たちの育成を含め、協会の活動に活用していく。

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