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「鎌倉殿の13人」第33回「修善寺」闇を深めた義時の心に響く運慶の言葉【大河ドラマコラム】

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 実はこの回、義時が姿を見せたのは、冒頭に引用した運慶との再会が最後で、頼家の死を知った後の様子をわれわれはまだ知らない。「全てが終わったら、私から話す」と語っていた頼家の母・政子(小池栄子)への報告も済んでいない。全てが片付いた後、義時の中で急激に深まった闇は、悲しみとともに義時自身をさらに黒く染めていくのだろうか。

 そんな義時には、「いつか、おまえのために仏を彫ってやりたいな」という運慶の言葉が一筋の光のように響いたに違いない。もしかしたらこれが、義時にとって心のよりどころ、救いになっていくのかもしれない。

 頼家を巡る一連の悲劇が幕を下ろした今、運慶の言葉を胸に留めつつ、これからの義時を見守っていきたいと思う。

(井上健一)

源頼家役の金子大地(左)と三浦義村役の山本耕史 (C)NHK