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「どうする家康」第6回「続・瀬名奪還作戦」今後への期待膨らむ忍びたちの活躍【大河ドラマコラム】

 NHKで放送中の大河ドラマ「どうする家康」。2月12日放送の第6回「続・瀬名奪還作戦」では、前回、主人公・松平元康(後の徳川家康/松本潤)の妻・瀬名(有村架純)の今川領からの奪還に失敗した服部半蔵(山田孝之)率いる服部党の忍びが、再び瀬名奪還に挑む姿が描かれた。

女大鼠役の松本まりか(左)と服部半蔵役の山田孝之 (C)NHK

 作戦は、「戦の最中に今川家の重臣・鵜殿長照(野間口徹)と2人の息子を生け捕りにして、人質交換する」というもの。こうして、今川領に侵入した前回とは趣を変え、長照が守る難攻不落の上ノ郷城攻略に挑むこととなった。

 その戦法は、集団で戦死者の遺体に紛れて敵をおびき寄せて不意打ちし、奪い取ったよろいを身に着け、夜陰に紛れて断崖絶壁をよじ登って城に侵入し、奇襲をかけるというやり方。一般にイメージする“忍者らしい”活躍ぶりでワクワクさせてくれた。

 中でも、標的だった長照の2人の息子を捕らえる場面は、追い詰められた2人が崖下へ転落していくように見せつつも、その足に鎖を絡ませて宙づりで助けるというスリリングな演出。最新の映像技術を駆使して、忍びらしいテクニックを印象付けた。

 しかも、前回の作戦失敗で後がなくなりながらも、今回で逆転勝利という流れは“前後編もの”の王道展開。わざわざ2話を費やしてその活躍を描くあたり、本作が忍びを重視していることが伝わってくる。

 戦国時代を舞台にした近年の大河ドラマを振り返ってみても、「真田丸」(16)に佐助(藤井隆)や服部半蔵(浜谷健司)、「麒麟がくる」(20)には菊丸(岡村隆史)といった忍びが登場したが、本作ほど派手な活躍をした作品はない。

 しかも本作では、戦法や戦術だけでなく、「金でしか動かない卑しいやつら」と武士からさげすまれていたり、戦のないときは盗みなどをして暮らしていたりと、その生活実態の一部まで描いて見せた。

 もちろん大河ドラマだけに、時代考証も抜かりはない。オープニングを確認してみると「忍者考証」のクレジットも見られるが、担当する山田雄司氏は、三重大学の教授。番組公式サイトで公開されている「ゆるっと解説 大河と歴史の裏話」「第6回の小道具のヒミツ」といったコラムを読んでみると、その徹底ぶりがよく分かる。