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「どうする家康」第18回「真・三方ヶ原合戦」クライマックスを際立たせた情感あふれる演出【大河ドラマコラム】

 いずれの回も演出を担当したのは、村橋直樹。ここぞという場面で雪や雨などの天候を利用し、スローモーションと音楽で情感を際立たせる演出は村橋の持ち味で、過去には「青天を衝け」(21)でも、雪景色の“桜田門外の変”を描いた第9回や、豪雨の中で平岡円四郎(堤真一)が暗殺された第16回などを手掛けた実績がある。それらで培ってきた手腕を本作でも発揮し、印象的な場面を作り上げている。

 主演の松本潤をはじめとする俳優陣の熱演や古沢の脚本に注目が集まる本作だが、映像作品は多数の俳優陣とスタッフが一丸となって生み出される総合芸術でもある。

 先日はこの回のアクションチームの奮闘に密着した番組「100カメ」も放送されていたが、こんなふうにさまざまな点に着目すると、また新たな魅力が見つかるのではないだろうか。

(井上健一)

第18回の一場面 (C)NHK