宝箱のように開けてみるのが楽しみな若き男女9人組「ONE LOVE ONE HEART」(略称ラブワン)に、私が最近ハマっている逸材がいます。その名は藤咲碧羽(みう)さん(17)。TikTokなどで彼女の動画をチェックしていただければ〝沼る〟と思います。
ラブワンの代表曲「愛せ、至極散々な僕らの日を」をお聴きになってみてください。冒頭、藤咲さんの瞬発力、透明感、伸びのある歌声に耳を奪われるのではないでしょうか。ラブワンは激しめのダンスをしながら歌うことが多いのですが、藤咲さんは声の伸び、揺れ、抜き、がなりまで、細かく使い分けています。
それでいて、普段はとっても天然で屈託がない。歌う時に放たれる迫力とのギャップが大きすぎて、もう気になって仕方がありません。テレビのバラエティー番組に出演すると、バスケットボールの試合で同じチームの先輩をずっとマークしてしまっていた! など、エピソードトーク自体が面白いのですが、トークの真っ最中でも隣の人がせき払いをしただけで「ダイジョブですか?」と声をかけるし、全ての音に反応するので、元々自身がしていた話は行方不明になって、全然進まない(笑)。小動物みたいなかわいらしさです。話すリズムには独特の緩急があり、何と言ってもきゅるんきゅるんで愛くるしいお顔立ち、表情もとっても豊かなので、見ていて飽きることがありません。
予測不能で愉快な藤咲さんがいれば、みんなが平和になるんじゃないかと思うほど。私は近頃、藤咲さんの動画をずっと見ています。こんなにもキャラクターが面白く、ビジュアルがすてきで、人の心を動かす歌声を兼ね備えた日本の若手アーティストは、数少ない気がします。たくさんの人に知られてほしいです。
ラブワンのメンバーは他に相原一心さん、飯塚瑠乃(るの)さん、イーチさん、久昌歩夢さん、洸瑛さん、佐々木杏莉さん、笹原遼雅(はるま)さん、矢嶋由菜さん。スターダストプロモーションとエイベックスによる「次世代進化系プロジェクト」のオーディションで、歌やダンスのみならず演劇や映像などジャンルを超えて活躍できる才能として発掘されました。
デビューした2022年に行った演劇×音楽ライブ形式のラブワン主演舞台「オノマトペ」の映像の一部を目にしたのが、私が気になったきっかけです。歌唱力と演技力に加え、ライブ時の振り付けやフォーメーションにも演劇的世界感が漂うのが、ラブワンの大きな魅力だと感じます。これから一人一人にどんどん磨きがかかり、さらに光り輝くのが楽しみです。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 40からの転載】
山崎あみ(やまざき・あみ)/1997年生まれ、東京都出身。音楽大卒。interfm「MUSIClock」(略称みゅじろく)メインDJ。YouTube番組「山崎あみ『うるおう』リコメンド」(うるりこ。共同通信社制作)金曜出演。初の写真集「Cantabile」発売中。