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副業で成功する最短ルート〜完璧主義を捨て、行動を選ぶ理由

「完璧を目指した」管理職が3年間何も始められなかった理由

都内IT企業で課長を務めるB氏(43歳)は、2021年からコンサルティング業の副業を検討していました。住宅ローンが残り15年、中学生の子供2人の教育費も重なり、年収600万円では将来に不安を感じていたからです。

しかし、B氏は3年経った今も副業を始められずにいます。理由は「完璧な準備をしよう」として、資格取得に2年、教材作成に1年をかけ続けているからです。

実は、この「準備病」こそが副業で最も多い失敗パターンなのです。成功する副業は「20点でスタートして走りながら改善する」が鉄則です。完璧主義が成功を阻む最大の敵であり、多くの会社員がハマる罠でもあります。

本稿では、筆者が25年間で見てきた60000人以上の会社員副業の失敗事例から、最も頻発する5つのパターンとその回避策を解説します。なぜ優秀な管理職ほど副業で失敗するのか、その謎が解明されるはずです。

失敗パターン1:怪しい副業に飛びつく「焦り」

SNSで「月20万円の不労所得」「スマホだけで完結」といった甘い言葉に引っかかる会社員は後を絶ちません。特に40代の管理職は「時間がない」という焦りから、楽して稼げそうな話に飛びつきやすい傾向があります。

回避策:「誰でも簡単」は100%嘘だと心得ましょう。本当に稼げる方法なら、なぜ他人に教える必要があるのでしょうか? 冷静に考えれば分かることです。

失敗パターン2:「検討します」の永久ループ

多くの会社員は「今度時間があるときに考えよう」と先延ばしを続けます。しかし、時間は待つものではなく、作るものです。

タレントのさらば青春の光さんが渋谷で行った「底辺YouTuberコラボ企画」では、準備していたYouTuberだけがチャンスを掴めました。準備していない人には、どんな機会も「ただの面白い出来事」で終わってしまいます。

回避策:「とりあえず1週間だけやってみる」精神で小さく始めましょう。リスクを最小化しつつ、行動することが成功への第一歩です。

失敗パターン3:完璧主義の罠

冒頭のB氏のように、完璧な準備をしようとして結局何も始められないパターンがあります。講座を開こうとして教材作りに2年かけ、内容が時代遅れになって振り出しに戻る人は非常に多いのです。

回避策:「20点でスタート」を合言葉にしましょう。講座なら資料が20%完成した時点で告知開始です。参加者の反応を見ながら改善していけばいいのです。慣れれば0点でもスタートできるようになります。

失敗パターン4:ネガティブな声を気にしすぎる

副業を始めると必ず批判的な意見が飛んできます。「副業なんて」「本業に集中しろ」といった雑音に心を折られる人は少なくありません。

回避策:批判は成長の証拠だと割り切りましょう。あまりにひどい場合は、違法・有害情報相談センター(総務省委託事業)などの公的窓口に相談しましょう。

失敗パターン5:健康を軽視して自滅

筆者の経験では、副業に挫折する最大の理由は健康問題です。睡眠を削って無理を続け、体調を崩して全てが水の泡になるケースが最も多いのです。

回避策:自分のゴールデンタイムを見極めましょう。朝型なら早起きして副業時間を確保、夜型なら深夜の時間を活用します。重要なのは、睡眠時間は絶対に削らないことです。

失敗は予測可能、成功は十人十色

成功パターンは人それぞれで再現性が低いものです。しかし、失敗パターンは驚くほど似通っています。つまり、失敗さえ避ければ成功に近づけるということです。

特に優秀な管理職ほど「完璧主義」と「慎重さ」が災いして動けなくなる傾向があります。本業では重要な資質も、副業では足かせになることを理解しましょう。

住宅ローンや教育費を抱える40代にとって、副業は選択肢ではなく「必要な行動」です。失敗を恐れるより、失敗パターンを知って賢く回避する。それが、限られた時間で結果を出す最短ルートになります。

<筆者略歴>

新井 一:起業コンサルタント 1996年 23歳で会社員のまま起業
2007年 起業支援を本格スタート(現・起業18フォーラム)

新井 一:起業コンサルタント

(新井 一:起業コンサルタント)

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