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「鎌倉殿の13人」佐藤二朗「激しい憎悪の火を燃やして、最後までやり切ろうと」 堀内敬子「“強い母親”を意識」比企一族の壮絶な最期を振り返る

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 一方、堀内は、夫の能員がよろいを身に着けずに時政の下を訪れ、討たれてしまったことについての思いをこう語る。

 「そこまで不安に思っていなかったけれども、『やっぱりやられたんだ』という、予想をちょっとしかしていなかったことが目の前に起こったという感じ、驚きの方が大きかったかなと思います」

 その後、館に攻め込まれる場面の撮影前には偶然、北条方が攻めてくるシーンの映像が流れていたのを目にしたという。

 「それを見られたので『こんな感じで攻めてきているんだ』というのが分かって、より一層、自分の心に緊迫感を増すことができたかなと。普通だと見ないままやることが多いですけど、ちょっと攻め手の声が聞こえたり、そういうのを流してくださったのを見たりしたので、すこし気持ちは高まったと思います」

 こうして一段と気持ちを高めて臨んだ道の最期の場面について堀内は「とにかく“強い母親”という感じは意識しました」と振り返り、その言葉に込めた思いを語った。

 「死ぬことに関しても悔いは全然ないし、能員が死んだ時点で。もう生きてはいられないという気持ちもあったと思いますし。ただ、みんなが本当に逃げ延びられるのかも分からないから、そこはちょっと不安なところはありますけど、自分のやることをやって、みんなを逃がして引き止めるという、その強さが出ればいいなという感じはありました」

(取材・文/井上健一)

北条時政役の坂東彌十郎(左)と比企能員役の佐藤二朗 (C)NHK