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松井玲奈、念願の劇団☆新感線に出演「新しい扉を開いて世界を広げていきたい」【インタビュー】

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 俳優の松井玲奈が、3月10日から開幕する、2023年劇団☆新感線43周年興行・春公演Shinkansen faces Shakespeare「ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~」にヒロインのモナ役で出演する。大河ドラマ「どうする家康」では家康の側室・お万を演じるなど、数々のドラマや映画で活躍している松井だが、近年は舞台作品でも強い存在感を放っている。松井に、出演を熱望していたという劇団☆新感線の新作公演への意気込みや、舞台への思いなどを聞いた。

2023年劇団☆新感線43周年興行・春公演Shinkansen faces Shakespeare「ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~」

-憧れだったという劇団☆新感線への出演は、本作が初となります。出演が決まったときの心境を教えてください。

 いつか出演したいとずっと思っていたので、やっと夢がかなったという思いでした。自分が目標にしていたステージに立てるということが、とてもうれしいです。私は、毎年、その年の目標を書いているのですが、そこに毎年のように「劇団☆新感線の舞台に出る」と書いていました。やっとその目標がクリアできるんだなといううれしさもありながら、そこで満足せずにさらに頑張っていかなければいけないなと感じています。

-本作は、シェークスピアの「オセロ」を青木豪さんが翻案し、戦後の関西らしき場所にある港町を舞台に、混沌(こんとん)とした時代に生きるチンピラやくざたちの喜怒哀楽を描いています。シェークスピアを新感線らしい味付けで表現した作品ということですが、それについてはどう感じていますか。

 「ジュリアス・シーザー」「歌妖曲~中川大志之丞変化~」、そして本作と3作連続でシェークスピアを題材とした作品に出演しているんです。ご縁があるなと思います。シェークスピアの作品には女性の登場人物は数少ないのですが、今回、私が演じるモナは、そんなシェークスピア作品の中でも特に無垢(むく)に描かれている女の子です。そうしたモナを劇団☆新感線のコメディー色が強い演出の中で、自由に演じさせてもらえるのは自分にとって挑戦になると思います。

-どんなところが挑戦になりそうですか。

 彼女の純真さを愛らしく、そしてコミカルに表現しなければいけないのですが、私はそれが苦手で…。恥ずかしくなってしまうんです。なので、今回、殻を破って演じなければいけないなと思います。それから、関西が舞台なのでせりふが関西弁で、その関西弁の中にもシェークスピアの空気感や芯の部分は残っているので、何度も繰り返し声に出して、自分の中に言葉を落としていかないと操れるようにならないと感じています。どうしよう、大変だってパニックになるのかなと思っていましたが、実際はすごく楽しみながら稽古できています。

-モナを演じる上で、どんなことを意識していますか。

 モナは、エネルギーにあふれていて、常に動いて飛び跳ねている、愛らしさのある女の子というイメージです。そして、最初から最後までオセロを真っすぐに愛し続けています。その清らかなところは、見ている人にもしっかり伝わるようにモナというキャラクターを作っていきたいなと思っています。

-オセロ役の三宅健さんの印象は?

 モナはオセロと一緒にいると、とにかくはしゃいでいるのですが、そのはしゃいでいるモナを三宅さんはしっかりと受け止めてくださるので、安心して突進していける気がしています。ストレートに「好き好き」というのは恥ずかしくもあるのですが、そこが彼女の愛らしさでもあると思うので、モナとして“好き”のパワーを投げつけていきたいと思います。それから、関西弁がとてもお上手。最初のお稽古から流ちょうに話していらっしゃったので、うまく話せない私は焦りました。

-「歌妖曲~中川大志之丞変化~」でも生き生きと演じる姿が印象に残っていますが、今、舞台で演じることの楽しさをどんなところに感じていますか。

 自分のお芝居の仕方によって、相手から返ってくるものが違いますし、そうやってみんなでいろいろなパターンを試して、そのシーンをどんどん豊かにしていき、いろいろな解釈が生まれてくるというのがお芝居をやっていて楽しいと思う瞬間です。同じ戯曲でも印象がどんどん変わっていくんですよ。みんなで作っているという感覚があって、やりがいも感じられます。なので、舞台で感じていることを映像でもできるようになったら、もっとお芝居が楽しくなるんだろうなと思います。