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磯村勇斗「新たな『演じ屋』になるのでは、とワクワクしました」奈緒とダブル主演を務めるヒューマンストーリー第2弾がスタート! 連続ドラマW-30「演じ屋 Re:act」【インタビュー】

磯村勇斗(C)エンタメOVO

-本作ではさまざまな社会問題を絡めながら、人情味あふれる物語が展開します。その中で、磯村さんご自身にとって新たな発見はありましたか。

 今回は「家族」について、深く考える機会になりました。俳優になる前は、当然のように「家族は血がつながっているもの」という認識でいましたが、いろんなことを見聞きする中で、血がつながらなくとも「家族」と呼べる形があることを知りました。この作品の演じ屋ファミリーもその一つです。彼らを家族として結び付けているのは、「(演じ屋ファミリーを本当の家族だと信じる)幼いセイルちゃんを守る」という共通の意識です。逆に今回の作品では、血のつながった家族に疑問を投げかける部分もあり、血のつながりが家族の絶対条件ではないんだなと、さらに強く感じるようになりました。

-本作では「家族」のほかに、ホームレスの問題なども扱っていますが、演じる上で意識したことは?

 明るくポップなテイストの中に、社会問題を絡めた絶妙なバランス感覚が、「演じ屋」の魅力です。そういう問題を軽率に扱うわけにはいきませんが、あまり重くなりすぎても作風が変わってしまうので、演じる上ではそのバランスを忘れないように心掛けました。

-磯村さんは昨年、『渇水』『月』『正欲』などの社会派映画でも活躍し、キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞を受賞した際のインタビューで、「社会に切り込んでいく映画に携わりたかった」と語っています。役者として社会派の作品に引かれる部分もあるのでしょうか。

 社会的な問題については、俳優になる前から関心を持っていました。特にここ5年くらいは、世界でさまざまな事件が続いていることもあり、そういう関心がより強くなってきて。その点、社会派の作品に携わる機会をいただけることは、とてもありがたく思っています。この「演じ屋 Re:act」もそういう作品の一つで、大事なことがたくさん詰まっていると思うので、皆さんがさまざまな問題に関心を持つきっかけになってくれたらうれしいです。

-昨年はほかにも多数の映画賞を受賞しましたが、お気持ちはいかがですか。

 多くの賞をいただき、率直にうれしい気持ちはあります。とはいえ、いずれも一緒に作りあげた監督やスタッフ、出演者の皆さんを代表していただいた賞だと思っています。だから、僕自身は浮かれることなく、さらに精進しなければ、とプレッシャーも感じています。同時に、難しい作品ほど、乗り越えるべき壁も大きいので、その点ではやりがいも感じているところです。

(取材・文・写真/井上健一)

連続ドラマW-30「演じ屋 Re:act」は、WOWOWで2024年5月24日(金)午後11時放送・配信スタート(全7話)